1月11日にメジャーデビューし、1月29日に日比谷公園大音楽堂で開催されたワンマンライブでも勇姿を堂々と示したPIGGSが、早くも次の作品を世に放つ。メジャー2ndシングル『BOO!SHUT』は、攻め続けながら道を切り拓く彼女たちの姿を熱く体感できる作品だ。メンバー全員が共同生活をする様を動画で積極的に発信したり、ライブハウスツアーを1000km以上の徒歩移動で回ったり、長距離マラソンのゴール地点でライブを行ったり、激辛料理や鼻うどんで悶絶する姿をエンタ−テインメントへと昇華してみせたりもするPIGGSを突き動かすスピリットとは? 最新作についてメンバーたちが語る今回のインタビューは、その点についても示してくれている。
インタビュー=田中大
嫌われるのも大変ですけど、「嫌い」はどこかのタイミングで「好き」にひっくり返る。「無関心」はひっくり返らない(プー・ルイ)
――“BOO!SHUT”は、「なんの印象にも残らずにスルーされるのは嫌です」という気持ちが伝わってきます。そういう曲ですよね?プー・ルイ その通りです。無関心がいちばんまずい職業なので。「嫌い」ってことは「関心がある」っていうことだから、そこを目指したいですね。
――プー・ルイさんの今までの活動もそうですよね?
プー・ルイ はい。昔のほうが嫌われてました(笑)。
――第1期BiSは、特にそうでした(笑)。
プー・ルイ ほぼ敵でした。でも、BiSを始める前の最初のソロの時とかは、好かれもしないけど嫌われもしなくて、お客さんが増えなかったんです。すごくいい曲だったのに。私のソロもそのあとに始めたBiSも、そこはあんまり変わってないんですけどね。ソロの時に「いい曲なのに聴かれない」ということを経験したので、BiSでは「嫌われてもいいから存在を証明して、とにかく曲を広めていきたい」っていうスピリットでずっとやってました。それは私の基本姿勢として残ってるというか。
――聴いてもらうためには、それくらいの覚悟が必要だということですね。
プー・ルイ はい。嫌われるのも大変ですけど、「嫌い」はどこかのタイミングで「好き」にひっくり返る。「無関心」はひっくり返らないので、嫌いな人を増やしていくのも大事な作業だと思います。人間関係、恋とかも「嫌い」が「好き」になることがありますから。
――SHELLMEさんが好きすぎてよく嫌がられているBAN-BANさんにも希望があるということでは?
BAN-BAN はい。諦めないです。
SHELLME 今のところ「好き」にひっくり返ることはなさそう。
プー・ルイ 無関心なの?
SHELLME ムカつきすぎて「無関心になろう」っていう瞬間がありますね。
BAN-BAN やだよ。
SHELLME 実際、無関心になった時もありましたよ。その時は、BAN-BAN泣いてました。
プー・ルイ 無関心って悲しいよね? 何も返ってこないんだから。
BAN-BAN うん。無関心は嫌だ。
プー・ルイ その体験は、この曲に込められるね。
BAN-BAN 私はよく自信をなくしていろいろなことをうまく出せなくなっちゃうことがあるから、「気にせず行ってやるぜ!」っていう気持ちを出したい曲が“BOO!SHUT”です。
――《ブシャーっと浴びたい 賞賛も罵声も》と歌っていますが、罵声には希望があるっていうことですね。
プー・ルイ はい。だからいっぱい攻めないと駄目ですね。最近はコンプラっていうものが難しいなあって思いますけど。昔のほうが何も考えないでひどいことをやってたと思うので。
――BiSの“My Ixxx”の全裸MVとか、今はアウトかもしれないです。
プー・ルイ ね? でも、デジタルタトゥーとして残っちゃってるから大変です(笑)。
――(笑)。でも、あのMVは、曲を聴いてもらえる機会には確実に繋がりました。
プー・ルイ そうなんです。
私もプーちゃんの生き方がかっこいいと思ったから、ここに来たんだと思う(BAN-BAN)
――CHIYO-Pさんは、“BOO!SHUT”にどのような想いがありますか?CHIYO-P 私は争いごととかが苦手なほうで、物事に対して無関心になることが多いから、「そういう自分はよくないな」とこの曲を聴いて思いました。私には引きこもっていた時期がありましたけど、その頃は無でした。なんでもいいからアクションを起こすのは、一歩進むためにすごく大事なんだと思います。
――KINCHANさんは、この曲をどのように捉えていますか?
KINCHAN 覚悟がないと歌えない曲ですね。「ここから突き進んで行くぞ!」っていう熱いパワーを感じます。
――この曲、SHELLMEさんのラップがかっこいいのも聴きどころです。
SHELLME ありがとうございます。「この曲でラップパートを取れたら、PIGGSのラップ担当と思ってもらえる」と思ったので、いっぱい練習してレコーディングに行きました。でも、練習しすぎるとグルーヴを出せないことに気づいたんですよ。「ちょっとノリでやる」くらいが自分の場合はいいみたいです。ライブではその時によってニュアンスを変えるとお客さんが反応するので、そういうのも楽しくなってます。
――《朝から晩まで寝っ転がり》の部分、「ねきょろぎゃり」ってKINCHANさんが歌っているのも、不思議な気持ちよさがあります。
KINCHAN 「KINCHANは子音を立てるのが似合うから「ねきょろぎゃり」って歌ってみて」って、Ryan.Bさんにアドバイスをしていただいたんです。
プー・ルイ これ、子音を立ててはいないと思うけどね(笑)。こういう「かっこいい!」に振り切ったPIGGSの曲は久しぶりです。メッセージが強めなのが最近多かったので。
――「かっこいい」は、間違いなくPIGGSの魅力として大きな要素です。
プー・ルイ 「かっこいいものを作ろう」と思いながらやってきてはいます。そこのギャップを狙いたいというか。メンバーのプライベートはかっこよくないので。私を筆頭として(笑)。
――プー・ルイさんの生き方がかっこいいのは、ファンのみなさんはよく知っているはずです。
プー・ルイ わかってんのかな?
SHELLME わかってるでしょ。
BAN-BAN 私もプーちゃんの生き方がかっこいいと思ったから、ここに来たんだと思う。
SHELLME 私、丁度昨日、“My Ixxx”のMVを観たんですよ。曲かっこいいなあって思って。私は何も知らずにオーディションを受けたので加入してからいろいろ知ったんですけど、こんな人はなかなかいないですよね。
――どうかしてるアイドルグループが増えたのも、プー・ルイさんという先人がいたからこそだと思うんですけど、どう感じていますか?
プー・ルイ そうですね。「どうかしてる風」は(笑)。私は「これやったら面白くない?」というよりは、「面白いからやろう!」っていうのが原動力。それは今も昔も変わらないです。そういう違いってすごく出ると思います。「面白くね? この全裸?」って見せられるより、「全裸です!」っていうほうが面白いから。そういうのは生き方としてというより、性格としてあるのかも。