──そしてEPの最後はリードトラックの“Unknown Island”。まさにこのEPを象徴する楽曲なのかなと。「未知の島を見てみたい」という感情を落とし込んだのが“Unknown Island”なんです(Rin)
Mol これも直感なんですけど、曲が揃ったときに「リードはこれでしょ」という問答無用感があって。僕の記憶だと「サビでベースのグルーヴが変わる曲をやりたい」と提案したんじゃなかったかな。コード進行はLenoが全部考えてくれて。
Leno 全部というわけではなくて、watabikiがアイデアをくれたんですよ。ジョン・キャロル・カービーの曲のコード進行がかっこよくて、こういう感じでやってみたいって。
Mol そうだったんだ(笑)。その頃はメンバーを3・3で分けて制作していたので、いろんなアイデアが混ざってるんですよね。
Rin “Unknown Island”は、このEPの中で自分たちの現在地をいちばん示している曲だと思ってますね。1stシングルとして出した“Danceless Island”という曲があって。コロナ禍に結成したこともあって、自由に踊れない島、自由に踊れない国という曲を作ったんですけど、そのあとたくさんライブをやって、国を超えて踊る人たちを見てきて。その中で自分たち自身が変わった部分であったり、「未知の島を見てみたい」という感情を落とし込んだのが“Unknown Island”なんです。EPを通して表現してるのは、前進と愛だと思っていて。「まだ見ぬ島にたどり着きたい」というのは自分たちが描いている夢に進んでいきたいということだし、その指針になっているのは人に対する愛じゃないかなと。
──最初に話してくれた「Jupiter」というテーマとも重なっている?
Mol そうですね。“Bon Voyage”、“Stained Glass”もそうなんですけど、Rinはバンドの思想を言葉にするのがすごく上手で。それをサウンドとリンクさせて届きやすくしてくれるんだけど、それが存分に詰まっているEPだと思います。あと、僕はメンバーが書いた歌詞を歌うのが好きなんですよ。“Hold Me Tight”はLenoが歌詞を書いてくれたんですけど、歌うのがすごく楽しいし、「ありがとう」って感じです(笑)。僕は僕でまた別の角度の歌詞を書くのが得意だったりするので、そこもちゃんとやっていきたいですね。
──バンドの現状をリアルに捉えつつ、進むべき場所を照らし出す、Billyrromにとって大きな意義があるEPだと思います。かなり月並みですけど、2026年はどうなりそうですか?地獄を見た人だけが上に行けると思ってるんですよ(Leno)
Leno まったく予想できないですね(笑)。
Mol この5年間、予想通りだったことなんて一度もなくて。毎年、まったく予想してないことが起きるし、とてつもない運を引き寄せることもあれば、全然思い通りにならないこともある。僕らは共通の意思を持って進んでますけど、すべてをコントロールできないところが面白いし、来年どんな感じになるのかは本当に想像がつかないです。
Rin やることはずっと変わらないんですけどね。
Shunsuke まずはアジアツアーじゃないですか。今年も初めての国にいくつか行けたので、来年も行ったことがないところに行きたい。
Taiseiwatabiki 大学生かよ(笑)。
Shunsuke Billyrromの活動の楽しさのひとつであることは間違いないでしょ。ライブはもちろんちゃんとやるけど、各々遊びに行ったりもするんで。アメリカ行きたいですね、みんなで(笑)。
──そういう楽しさもありつつ(笑)。Lenoさんはどうですか?
Leno Rinが言ったようにやることは変わらないんですけど、「もっとやらなきゃダメだな」とも思っていて。足りない部分が山ほどあるし、今もしんどいけど、1回地獄を見ないと。
──地獄ですか。
Leno 地獄を見た人だけが上に行けると思ってるんですよ。そうじゃない人も増えてるけど、そのあとにまた違うベクトルの地獄があるはずなんで。
Mol 次のタイトル決まったね。“Go to hell”(笑)。
Taiseiwatabiki ヤダな(笑)。
Leno ネガティブな意味ではないけどね。
Mol 刃を研ぎ続けるってことでしょ。
Leno そう。もっとやれるはずだから、さらに頑張らないとなって思ってます。
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