MAN WITH A MISSION@幕張メッセ 国際展示場1~3ホール

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ファンタジー仕立ての壮大なアルバムを引っ提げた、全国27公演を駆け抜ける対バン・ツアー『MAN WITH A MISSION Tales of Purefly Tour 2014』が、いよいよ佳境へと差し掛かった。大阪城ホール(5/25)と、沖縄ナムラホール(6/13)、そして今回レポートをお届けする幕張メッセはそれぞれワンマン公演で行われるわけだが、物語を踏み台にエモーショナルな楽曲を畳み掛けるMWAMと大掛かりな映像演出、オーディエンスが装着したLEDリストバンドの煌めきと視界一杯のダンスがシンクロし、ため息が出るほどのスペクタクルが生み出されていった。ただ、『Tales of Purefly』の物語がそうであったように、スペクタクルのど真ん中にあったものはやはり、リアルな音楽の力に他ならなかった。本稿は以下、演奏曲や演出に触れる内容となっているので、今後の北海道でのNOISEMAKERとの対バン公演3本、ファイナルの沖縄、更にWOWOWでの幕張公演放送プログラム(7/13)を楽しみにされている方は、閲覧にご注意を。
MAN WITH A MISSION@幕張メッセ 国際展示場1~3ホール
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『Tales of Purefly』ストーリーブックの序盤を、アニメ映像と字幕ナレーションで振り返りつつ、物語の世界観へと誘い込まれるオープニング。主人公の少年少女3人は、謎の究極生命体MAN WITH A MISSIONと出会って「Purefly」を巡る戦いへと赴くのだが、そこでステージ上にはローブのフードを深く被ったMWAMが登場する。アルバム冒頭のタイトル・チューン“tales of purefly”がドラマティックに興奮を駆り立てると、“evils fall”ではステージ上に火柱が吹き上がり、電光石火のギター・ソロとスクラッチング、Jean-Ken Johnny(G・ Vo・Raps) がヴォルテージ高く捲し立てた後にTokyo Tanakaの雄々しいコーラスへとヴォーカルが連なる。スクリーンには立ち籠める暗雲と激しい戦火が映し出されていた。そして“distance”は、高速で異空間を駆け抜けるかのようなCGアニメーションと共にオーディエンスを跳ね上がらせる。以後、『Tales of Purefly』の楽曲は物語に沿って収録曲順に、その合間にはこれまでの必殺ライヴ・ナンバーの数々が散りばめられるセット・リストとなっていった。
MAN WITH A MISSION@幕張メッセ 国際展示場1~3ホール
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「マクハリー! 凄イネ。遂ニコノ日ガ来テシマイマシタネ。23000人デスッテ! 聞キマシタ奥様!? 半端ネエ。私ノ言イタイ事ハヒトツ、コンナニ集マッテクレテ、アリガトウゴザイマス! シカシ、ステージ上ノオオカミ達、相手ガ23000人ダロウガ、負ケルツモリハビタイチゴザイマセン! オマエ達、貴様ラ、カカッテコイヤー!!」とさっそく意気込み丸出しのジョニー。ただでさえド迫力のバンド・サウンドに大所帯ストリングス・セクションが加わる“Wake Myself Again” や“Emotions”、“Smells Like Teen Spirit”辺りのアレンジには、まんまと度肝を抜かれる羽目になった。ジョニーは「物語ヲ主軸ニ作ッタ、コンセプト・アルバム。楽曲ト共ニ、ソノ物語ヲ、目ト耳ト心デ、楽シンデクダサイ」と語っていたが、物語のコンセプトがあるからといって、MWAMがライヴのダイナミズムが損なわれることはない。
MAN WITH A MISSION@幕張メッセ 国際展示場1~3ホール
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ただ、豊かなフォーク/トラッド・テイストの曲調で生命の脈動を描き出した“vitamin 64”や、戦いの旅路の中で主人公たちがMWAMに音楽演奏をねだるシーンを再現した“Searching life”(子役キャストが登場してステージに座り込み、MWAMが小ぶりな離れ島ステージで披露するハーフ・アコースティックのパフォーマンスを見つめる。DJ Santa Monica(DJs・Sampling)はターンテーブルをストラップで吊り下げてプレイしていた)といった楽曲群は、それぞれとても重要な一幕だった。フィクションの物語に沿った音楽というよりも、物語を利用してMWAMのロック表現に新しい一面と、普遍的な音楽の力がもたらされていたからだ。何時如何なるときも触れる者を鼓舞して止まない“higher”や、「実生活ノ我々モネ、イロンナ人ニ、力ヤ勇気ヲモラッテ、ココマデ来レタンダト思イマス」「コレマデ推進力ニナッテクレタ全テノ人ニ、コノ曲ヲ捧ゲマス」と披露された“whatever you had said was everything”も含め、コンセプトに基づいた楽曲であるにも関わらず、普遍的なメッセージとして受け止めることが出来る。
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ビートの乱舞で触れる者を追い回すSpear Rib(Dr)、確信のベース・ラインを紡ぎながら時折ネックに噛み付いてオーディエンスを沸かせるKamikaze Boy(B・Cho)、そしてお馴染みサポート・ギタリストのE.D. Vedderも鮮やかなタッピングを繰り出すなど大活躍を見せ、ライヴ本編は物語のクライマックスへと向かってゆく。ほとんど組曲のような構成の大作ロック・ナンバー“babylon”をフィニッシュすると、ジョニーは今後の活動への意気込みも盛り込みながら「皆サン一人一人ノ物語ニ、タクサンノ喜ビト、タクサンノ刺激ト、何ヨリ、タクサンノ幸セガアリマスヨウニ。アリガトウゴザイマシタ、MAN WITH A MISSIONデシタ」と挨拶し、あたかもエンディング・テーマのように披露される“Dancing On The Moon”へと向かって行った。感無量である。あらためて、凄いバンドだ、MWAMは。
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本編終了後、全米ツアー&今秋のリクエスト・ツアー『PLAY WHAT U WANT TOUR』(6/1よりリクエスト受付が開始され、投票者にはチケット先行予約も)の開催と全日程が告知される(詳細はこちらのニュース記事を→http://ro69.jp/news/detail/102936)と、大喝采&満場のヤキニク・コールを受けて、いつも以上にアンコールらしいアンコールへ。ここぞとばかりに放たれる“DANCE EVERYBODY”とダメ押しの“FLY AGAIN”で、完璧な踊り納めである。最後には子役キャスト3名、もちろんオーディエンスも一緒に記念撮影を行って、ステージは幕を閉じた。今回のツアーは残すところ4本、各公演をがっちりと楽しみ尽くして欲しい。その後、夏に全米で暴れ回るオオカミ達は、また一回り大きな成長を遂げて、ファンの前に帰って来てくれるはずだ。(小池宏和)
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