定刻になると、革ジャンの兄ちゃんがふらりとオン・ステージ。「渋谷AXにお集まりの人間のみなさん、コンバンワ!」と前説&諸注意を。そして「ロケンロー魂を焼き尽くせ!! 真っ白な灰になるまで焼き尽くせ!!!」と煽りを入れまくって、沸き上がる盛大なOiコールの中、いよいよザ・クロマニヨンズ登場! いきなり頭ガンガンに振りまくるヒロト。右手掲げてさっそうと定位につくマーシー。開口一番「ロッケンロー!!!」のシャウトから、アルバム同様“エイトビート”でライブはスタート。タイトかつグルーヴィな8ビートに扇情されて、AXはのっけからレッド・ゾーンに突入! 続けて“ゴーゴーゴー”、“ぼうふら”“独房暮らし”と、4人は一時もギアを緩めず畳み掛ける(このスタート・ダッシュはヤバかった!)。びっくりするのは、とにかく歌が「届いてくる」こと。ツアー序盤戦とはいえバンド・サウンドの一体感は半端じゃなく、バツグンの即効性と説得力でリスナーへと最短距離で到達する。「ギリギリガガンガンッ! ニャオニャオニャ〜!」と、そりゃもう声を大にしてシンガロングしないわけにはいかないのだ。ニャオニャオニャ〜〜!!
ひと息ついて、「いっぱい集まってくれてありがとう! 最後まで楽しくやろうね!」とヒロト。「ずっと楽しみにしてたからねぇ」と、自ずとニヤけてしまう顔をペチペチ。『FIRE AGE』収録曲でブッ飛ばした前半戦も、歴代のクロマニヨン・ソングスをまんべんなく披露した後半戦も終始こんな感じで、まるでバンドを始めたばかりの中高生みたいな初々しさで、心底楽しそうにプレイするクロマニヨンズ。一方で、「『FIRE AGE』って書いてあるんだぜ、このタオル。スゲーだろ? 珍しいもんだから、みんなも見つけることが出来たら5〜6本買ったほうがいいよ」と、手練のセールスマンのように営業も忘れないクロマニヨンズ(さすが!)。演出らしい演出といえばスポットの色が変化するくらいで、そんなシンプル極まりないステージのもと、シンプル極まりないバンド・サウンドでもってロッケンローを転がしまくって、雪だるま式に熱量を膨れあがらせてアッという間に本編終了。
アンコールでは、メンバー全員上裸(ヒロトはTシャツを半パンのように着用)で再登場。「太陽さん」「うめえなあもう」など数曲を気持ちいいくらいの瞬発力で畳み掛け、最後にヒロト、去り際にぺろっとおケツをご開帳! いやぁ、繰り返しになっちゃうけどホント楽しかったなぁ。たとえ世界経済が氷河期を迎えつつあろうと、燃えさかるロッケンローの炎ですべてOKにしてしまえそうな、あっけらかんとした楽観性がとにかく痛快でした。来年の2月13日までツアーはまだまだ続くので、お近くのライブ・ハウスでぜひご体感を。鬱憤とかモンモン全部ふっ飛ぶから!(奥村明裕)