全公演でサポートゲストを迎えている本ツアー。この2日間のゲストは、最新アルバム『Blurry face』が全米1位を獲得し、注目度うなぎ上りのアメリカの2人組=twenty one pilots。鍵盤を基調としながら、時にポップに、時にダビーに咲き乱れる彼らの音楽は、邦楽とか洋楽とか関係なしにフロアを軽やかに揺さぶるダイナミズムに満ちていた。終盤にはメンバーふたりがステージを降り、観客の頭上でタムを打ち鳴らすという芸当も。音楽性は異なるが、キャッチーで躍動感あふれるパフォーマンスに、ONE OK ROCKに通じるようなスケールの大きさと熱いものを感じた、素晴らしいオープニングアクトだった。
しかし、ハイライトはこの後にやってきた。9曲目の“Liar”を終えたところで、Taka(Vo)のMCへ。さらなる進化を求めて今回初めてアメリカでのアルバム制作に臨んだこと、その過程は体力的にも精神的にもキツいものだったことなどを、丁寧な口調で伝えていく。そして「今はどんなアーティストに正面からぶつかっても負ける気がしません!」という頼もしい発言が。シーンを牽引する存在になってからも驕ることなく、常に冷静な発言をしてきたTakaが、ここまで自信に満ちた言葉を口にしたことが過去にあっただろうか。それが嘘のない想いであることは、最新アルバムの楽曲を乱れ打ちした後半戦のステージからも明白だった。
アンコール中に放たれた「俺たちは今の腐った音楽シーンをぶっ潰しに来た救世主だ。これからも音楽に限らず、お前らの力でいろんなものを変えてってくれ!」というTakaのシャウトが、最高にかっこよかった。着実にビルドアップしながら至上の風景を描き続けてきた闘争の音楽は、今後どれだけ強く、高らかに響きわたっていくのか。客席中のケータイの光が輝く中、満場のシンガロングで包まれた大ラス“Decision”の雄大な響きが、これからONE OK ROCKが突き進もうとする道筋を明るく照らし出しているように思えた。(齋藤美穂)
●セットリスト
1. Fight the night
2. The Beginning
3. Memories
4. 欠落オートメーション
5. Deeper Deeper
6. Stuck in the middle
7. Clock Strikes
8. Smiling down
9. Liar
10. Cry out
11. Good Goodbye
12. Heartache
13. Paper Planes(featuring Kellin from Sleeping with Sirens)
14. 3xxxv5
15. Take me to the top
16. Suddenly
17. 完全感覚Dreamer
18. Mighty Long Fall
(encore)
19. アンサイズニア
20. One by One
21. Decision