宇宙まお/TSUTAYA O-WEST

宇宙まお/TSUTAYA O-WEST - All photo by SATOSHI HATAAll photo by SATOSHI HATA
●セットリスト
1. 風のうた
2. あの子がすき
3. かわいい人
4. UCHU TOURS
5. サボテン
6. 夢みる二人
7. 声
8. Home
9. 向こう岸
10. 穴だらけ
11. 痴話喧嘩
12. 会いにゆく
13. 女たち
14. ヘアカラー
15. セカイイチ☆片想い
16. ベッド・シッティング・ルーム
【ENCORE】
17. 哀しみの帆
18. 無限の力
19. 夜が明ける
【ダブル ENCORE】
20. 百年の夢

宇宙まお/TSUTAYA O-WEST
2作目のフルアルバムを携えたツアー「ベッド・シッティング・ルームへようこそ」は、大阪(6/10)、名古屋(6/11)、東京(6/15)とワンマン公演3本が繰り広げられた。そのファイナルにあたる東京公演=TSUTAYA O-WEST。可愛らしいイントロ映像を経てスクリーンが上昇すると、その向こうから“風のうた”のふくよかでありながらも勢いに満ちたサウンドが吹き抜けてくる。メンバーは脇山広介(Dr)、SUNNY(Key)、草刈浩司(G)、バンマスにキタダマキ(B)というマエストロ揃いの顔ぶれだ(なお、SUNNYはこの日ツアー初参加で、大阪・名古屋では野崎泰弘がキーボードを担当)。
宇宙まお/TSUTAYA O-WEST
ドアや窓、電灯などが配置されたステージ上のオブジェは、目の錯覚を利用する立体的なデザインが楽しい。ポップでありながらアート性の高い、宇宙まおにぴったりなステージだ。自らタンバリンを振るい、序盤からオーディエンスの賑々しい歌声を誘う“あの子がすき”や、練り上げられたメロディが心地よく解けてゆく“UCHU TOURS”などを届けると、オーディエンスを部屋に招くという今回のライブの趣向について「私もラフな格好を選んでみたりとか、タコ焼きパーティ、鍋パーティみたいなつもりで、みんなにリラックスして貰いたいと思います」と語るのだった。
宇宙まお/TSUTAYA O-WEST
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新作『ベッド・シッティング・ルーム』のオープナー“サボテン”は、「失恋3部作」と呼ばれる収録曲のうちのひとつで、心傷と気丈さのせめぎあいが曲調から立ち上ってくるようだ。歌メロと秀逸なベースラインの絡み合いも、ライブでは一層ダイナミックに伝わってくる。“夢みる二人”を経て、あらためてバンドメンバーを紹介すると、フロアからは「まだまだ盛り上がっていくぞー!!」という熱い声も響いていた。
宇宙まお/TSUTAYA O-WEST
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SUNNYのキーボード演奏だけをバックに披露される“声”や“Home”は、少ない音でむしろ最大限の広がりを描き出してみせる。再びバンド編成に戻ったところで、5月に28歳になったと報告する宇宙まおは、20代という時期についての思いを語り出す。「夢から醒める瞬間、現実を目の当たりにした瞬間、そんなときにこそ、音楽が必要だと思うんですね。恋が終わる瞬間というのも、夢から醒める瞬間だと思うんですよ」と告げて披露されるのは“向こう岸”だ。哀しげな曲調でありながらも、息遣いが強い。歌詞が浮かんでは消える、美しい映像演出も素晴らしかった。
宇宙まお/TSUTAYA O-WEST
さて一転、ブルース歌謡テイストの強いロックナンバー“穴だらけ”では、眼鏡とガウン姿に早着替えした宇宙まおが長い袖を振り回すユニークな振り付けで歌い、ノンストップで“痴話喧嘩”へと持ち込む。情念に満ちたロックの連打が最高だ。そして「Divertitevi?(楽しんでますか?)」「Bravo!(ブラボー!)」というイタリア語の賑々しい掛け合いから傾れ込む“女たち”では、フロア前線の失恋女子に「フレー! フレー!」とエールを贈る。その直後に、心模様を能動的に変化させてゆくファンキーポップ“ヘアカラー”が配置されていたのは、ちょっと神がかり的な流れでゾクゾクさせられた。本編を締め括るのは、アルバム表題曲“ベッド・シッティング・ルーム”。孤独な時間・空間にこそ意味を見出そうとするアートだ。
宇宙まお/TSUTAYA O-WEST
宇宙まお/TSUTAYA O-WEST
アンコールは“哀しみの帆”に始まり、サッカー・水戸ホーリーホックのサポーターの姿が映像に浮かび上がる熱いチャント“無限の力”で再び盛り上がる。「これからも、本当に良いと思う音楽、自信のある音楽を届けていきたいと思います。ついてきてくれますか? 夜が明けます。明日からの毎日が、あなたにとって鮮やかに目に映ることを願っています」と語り、“夜が明ける”が披露されるのだった。ダブルアンコールに応えての“百年の夢”まで、全20曲の2時間。等倍の言葉、生活に染み込む音楽によって、新しい世界を作る。そんな表現者としての成長が、確かに刻まれたステージであった。(小池宏和)
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