HYUKOH(ヒョゴ) feat. never young beach/渋谷 CLUB QUATTRO

HYUKOH(ヒョゴ) feat. never young beach/渋谷 CLUB QUATTRO
初のフルアルバム『23』をリリースし、2年連続で「SUMMER SONIC」出演(今年は東京のみ)を果たすなど、破竹の勢いで存在感を示し続けている韓国のバンド=HYUKOH(ヒョゴ)が、「SUMMER SONIC EXTRA」として日本のnever young beachと対バンを繰り広げる一夜。ソールドアウトの濃い熱気の中、朗らかな笑顔も顔を覗かせたステージの模様を、レポートしたい。

HYUKOH(ヒョゴ) feat. never young beach/渋谷 CLUB QUATTRO - never young beachnever young beach
HYUKOH(ヒョゴ) feat. never young beach/渋谷 CLUB QUATTRO - never young beachnever young beach
HYUKOH(ヒョゴ) feat. never young beach/渋谷 CLUB QUATTRO - never young beachnever young beach
先行はnever young beach。“夏がそうさせた”の和製サーフィン・ポップ・サウンドからは、レイドバックした曲調とは裏腹に、より強靱になったグルーヴとふくよかな表現力が立ち上ってくる。人懐っこく耳に滑り込み、恐ろしいほどの情景喚起力をもって、触れる者の脳内に歌の風景を描いてしまうのだ。安部勇磨(Vo・G)は「腰を振ろうにも振れないくらい、人がいっぱいですね」と満足気である。

HYUKOH(ヒョゴ) feat. never young beach/渋谷 CLUB QUATTRO - never young beachnever young beach
HYUKOH(ヒョゴ) feat. never young beach/渋谷 CLUB QUATTRO - never young beachnever young beach
HYUKOH(ヒョゴ) feat. never young beach/渋谷 CLUB QUATTRO - never young beachnever young beach
モラトリアム感が滲む“なんかさ”以降、新作『A GOOD TIME』の曲が次々に放たれるのだが、“夏のドキドキ”のサウンドに違和感があり演奏中断。「どうした! どんどん音が減っていくじゃないか!」と慌てる場面も見られた。そんなハプニングでもライブのムードが壊れないのは、ネバヤンのキャラクター性の賜物と言えるだろうか。安部がヒョゴの楽屋にフレンドリーな挨拶を交わしに行ったことや、ヒョゴ好きなメンバーもライブを楽しみにしていたことが語られ、黄金のロックンロール“SURELY”でステージを締め括った。

HYUKOH(ヒョゴ) feat. never young beach/渋谷 CLUB QUATTRO - ヒョゴヒョゴ
さて、メンバー自ら入念なサウンドチェックを行い、いよいよヒョゴのパフォーマンスが幕を開ける。まずは、イ・インウ(Dr)の鋭いビートに乗せてイム・ヒョンジェ(G)のオリエンタルなギターフレーズが転げてゆく新作曲“Tokyo Inn”を、挨拶とばかりに繰り出していった。流れゆく時間を音で塗り潰すことなく、4人がお互いを信頼し絶妙な距離感でそれぞれのフレーズを際立たせ、音の隙間にスリルと興奮を宿らせるヒョゴ独特のアンサンブルだ。ドラムスのフィルインひとつに至るまで、とても刺激的な響き方をしている。

HYUKOH(ヒョゴ) feat. never young beach/渋谷 CLUB QUATTRO - ヒョゴヒョゴ
母国チャートで1位、ビルボードのワールド・ミュージック・チャートにおいても6位という好成績をマークしたデビューアルバム『23』。その収録曲を中心にしたセットリストで、勢いに乗ったスウィング感がオーディエンスを踊らせる“가죽자켓 (Leather Jacket)”、行進する軍靴の音のようなブレイクビーツを絡めたエクスペリメンタルな曲調に北京語(官話)の歌詞が伝う“Wanli (万里)”、韓国語と英語で綴られた歌詞に死生観を落とし込んだミドルテンポのエモーショナルなナンバー“Die alone”などが届けられていった。

HYUKOH(ヒョゴ) feat. never young beach/渋谷 CLUB QUATTRO - ヒョゴヒョゴ
音源とは桁違いのインパクトを誇るオ・ヒョク(Vo・G)のソウルシャウターぶりは、まるでウィルソン・ピケットかボブ・マーリーかというふうに、楽曲のシリアスさを後押しする。しかしひとたびMCの場面となれば、メモを取り出し「今日はnever young beachと一緒にライブができて、とても気分がいいです」と丁寧な挨拶を披露するなど、親密なムードを作り上げてはフロアを沸かせるのだった。

個人的には、サンプリングのゴスペルコーラスから退廃感と哀愁のロックに持ち込む“Jesus lived in a motel room”や、イム・ドンゴン(B)のベースがまるでレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーのように唸りを上げて爆走する昨年のシングル”맛있는술 (MASITNONSOUL)”といった、骨太なパフォーマンスで表現領域を押し広げる4人の姿にとりわけ惚れ惚れとさせられてしまった。

HYUKOH(ヒョゴ) feat. never young beach/渋谷 CLUB QUATTRO - ヒョゴヒョゴ
対バン公演ということもあり、持ち時間は限られていたが、終盤は若い同世代に優しく語りかけるような美しいナンバー“TOMBOY”をじっくりと披露し、オ・ヒョクが「僕たちは10月に日本ツアーがありますが、大阪、福岡、東京、仙台に行きます。来てくださったらお金は損しません。来てくださったら一緒に遊びましょう」と語ってサーフィン・ポップの“Surf boy”でステージを締め括る。楽曲を色付かせ、余韻をなびかせるボトルネックスライドのギターも見事だった。

HYUKOH(ヒョゴ) feat. never young beach/渋谷 CLUB QUATTRO - ヒョゴヒョゴ
最後には、ネバヤンのメンバーも呼び込んでオーディエンスと記念撮影である。21世紀のUSインディーポップに通じる自由で独創的な姿勢と、ロックの歴史を堂々引き受けるタフな表現力が遺憾なく発揮されたステージであった。日本でのステージ規模を更に拡大してゆく秋のツアーにおいても、必ず驚きのパフォーマンスを繰り広げてくれるはずだ。たっぷりと期待してほしい。(小池宏和)

HYUKOH(ヒョゴ) feat. never young beach/渋谷 CLUB QUATTRO - ヒョゴヒョゴ


●セットリスト
never young beach
1. 夏がそうさせた
2. なんもない日
3. どんな感じ?
4. なんかさ
5. CITY LIGHTS
6. 夏のドキドキ
7. どうでもいいけど
8. あまり行かない喫茶店で
9. 明るい未来
10. SURELY

HYUKOH(ヒョゴ)
1. Tokyo Inn
2. Comes and Goes
3. Leather Jacket
4. Wanli
5. MASITNONSOUL
6. Jesus lived in a motel room
7. Die alone
8. Wi Ing Wi Ing
9. Mer
10. TOMBOY
11. Surf boy


最新ブログ

フォローする