エレファントカシマシ @ 渋谷C.C.Lemonホール

エレファントカシマシ @ 渋谷C.C.Lemonホール - エレファントカシマシエレファントカシマシ
アルバム『STARTING OVER』に伴うツアーの最終日となった、この日の渋谷C.C.Lemonホール。MCの中で宮本は「みんな、いい顔してるぜ」「人間にはバイオリズムがあるけれど、前向きに生きてるみんながここに集まってきてると思うんです」と再三話していたけれど、今回のツアーがエレカシにとってどんな意味を持つのか、勝手知ったるファンが集まっている。一方で、開演前にロビーを見ていて感じたのは、若いファンの多さだ。『生活』の頃はいったい何歳だったんだろうと考えてしまうぐらい、若いファンがたくさんいる。新旧のファンがこの最終日に集まって、2008年のエレカシを体験しようとしている。

1曲目は、2002年発表のミニ・アルバム『DEAD OR ALIVE』からタイトル曲。バイオリズムという話でいけば、バンドが最も苦しんでいた頃の楽曲である。ここからライブが始まるというのは、長年追いかけてきたファンにはたまらないだろう。そこから“今はここが真ん中さ!”“悲しみの果て”“さよならパーティー”と、代表曲を織り交ぜながら最新作『STARTING OVER』の楽曲が披露されていくのだけど、新作の曲の演奏が素晴らしい。ドラム、ベース、ギター、そして歌がしっかりとひとつの塊となっていて、このアルバムを経て一段とエレカシがバンドになったのを感じさせられる。“こうして部屋で寝転んでるとまるで死ぬのを待ってるみたい”では歌詞の中に「ストーンズ」という言葉が出てくるが、まさにローリング・ストーンズを連想してしまう。“リッスントゥザミュージック”“starting over”、アルバムのプロデュースも行なった蔦谷好位置が今回もキーボーディストとして参加したが、ストーンズの例にならって言うなら、彼はさしずめニッキー・ホプキンスのような活躍を見せる。

終盤で演奏された“風”(名曲!)では、バンドが空中分解しかけるような一面もあったが、それも含めてエレカシのドキュメントである。“ガストロンジャー”では宮本のボーカルはほとんど即興になっている。本編の最後は“俺たちの明日”、アンコールでも“まぬけなJohnny”が演奏された。最新作『STARTING OVER』の曲はほとんど演奏されたことになる。力強い2008年のエレカシの姿がそこにはあった。(古川琢也)
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