LiSA/中野サンプラザホール

LiSA/中野サンプラザホール - All photo by HAJIME KAMIIISAKAAll photo by HAJIME KAMIIISAKA
「今日のことを世界中の人たちに自慢したい!」。全てを出し切ったライブのクライマックスでLiSAが叫んだ言葉だった。今年5月にリリースした通算4枚目のフルアルバム『LiTTLE DEViL PARADE』を携えて、6月~7月に開催された初のアリーナツアーに続き、全国13公演で行なわれたホールツアー「LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~『そしてパレードは続く』」の中野サンプラザ公演。集まった2200人のお客さんとLiSAが一体となって作り上げたライブの熱狂は冒頭の言葉に凝縮されていた思う。その場所にいる全員が明日からの日常で「今日も良い日だっ!」と言えるために。LiSAはこれまでに培ってきた全てを懸けてステージから渾身の歌を届けていた。
LiSA/中野サンプラザホール
最新アルバム『LiTTLE DEViL PARADE』に収録されている“Rally Go Round”でライブはスタート。「いくよー!」。会場のいちばん後ろのお客さんまでひとり残らず最高の場所へと誘い出すようなLiSAの元気いっぱいの声を合図に、ライブは初っ端からフィナーレみたいな熱気と興奮に包まれていた。サポートメンバーは昨年から新体制になった、高慶卓史(G)、生本直毅、(G)、柳野裕孝(B)、白井アキト(Key)、石井悠也(Dr)という通称・にゅーメンズの面々。アリーナからホールへとスケールの異なるライブを共に重ねたことで盤石になった5人の骨太のロックサウンドをバックに、LiSAは「ロックヒロイン」と呼ばれるに相応しい圧倒的な歌とパフォーマンスで会場のお客さんを魅了していく。ホールという会場だからこそ、派手な演出ではなく、LiSAのパワフルなエネルギーがダイレクトに感じるシンプルな構成でライブは進んでいった。
LiSA/中野サンプラザホール
LiSA/中野サンプラザホール
「東京は緊張するなあ。いろいろな夢を追っかけてきた場所だから」。歌っている瞬間は完全無欠のロックボーカリストに徹しながらも、MCでは等身大の言葉で初の中野サンプラザに立つ心境を明かしたLiSA。そこから激しく明滅する光のなかでエレキギターを掻き鳴らした“ANTIHERO”をはじめ、ときにパンキッシュに、ときに妖艶に、ときに切なく、錚々たるアーティストたちに提供されたポップでキャッチ―な曲たちを間髪入れずに披露していく。全く表情の違う楽曲の持ち味を最大限に発揮するLiSAの歌唱力を目の当たりにすると、なぜ多くの作家陣がLiSAのために曲を提供するのかがよくわかる。
LiSA/中野サンプラザホール
中盤はお客さんをイスに座らせて、「いろいろな好きがあっていいと思う。いろいろな想いがある言葉だからこそ大事にしたいと思います」と曲に込めた想いを伝えてから、ピアニカの音色と共にミディアムバラード“狼とミサンガ”を届けると、LiSAが自分の声をサンプリングした電子ドラムを叩きながら繰り出した“Peace Beat Beast”はこの日いちばん楽しい時間だった。最後に「だ~い好き!」とキメるところで、間違えて「ジャンプ!」と叩いてしまったLiSAの可愛らしいオチすらもライブの醍醐味とばかりに、客席から大きな笑いが巻き起こり、会場にはどこまでもアットホームで温かい空間ができあがっていた。
LiSA/中野サンプラザホール
遊び心溢れる中盤を経て、いよいよライブは怒涛の後半戦へ。「暴れる準備はいいかー!?」というLiSAの叫び声でステージに巨大なオブジェが出現すると、いっそう激しさを増していくパフォーマンスに会場の熱気もヒートアップ。そして「ここから続いていくみんなの毎日が楽しいものでありますように!」と願いを込めて届けたラストソングは“そしてパレードは続く”だった。カズーを吹きながら軽やかに弾む陽性のロックンロールにのせるのは、少し寂しいライブの終焉を《終わりが来るのは便宜上だからさ》と笑い飛ばして、明日から始まる日々に《愛・希望・自信》を託す最高のハッピーソング。最後に会場が一体になる大ジャンプと笑顔全開のピースサインで本編を締めくくった。
LiSA/中野サンプラザホール
アンコールでは11月29日にリリースされる新曲をパワフルに歌い上げると、最後にLiSAは丁寧に語りかけた。「改めて『LiTTLE DEViL PARADE』でみんなと遊ぶことができて、すごく大切なアルバムになったと思ってます。今日一緒に遊んだ曲たちで、みんなが今日のことを思い出して元気になったり、元気がないときに発散できたり、いろいろな音楽の聴き方をしてほしい。これからもそんな楽曲をたくさん作っていきたいと思ってるので……期待しかしないでね! 毎日を思いっきり楽しんでください。オッケー?」。そう言って届けた本当のラストナンバー“best day, best way”では、ステージを降りて、客席のあいだを練り歩きながら歌を届けたLiSA。「夢はまだまだたくさんあります。みんなと遊べるところにはどこでも行きます!」という決意の言葉でライブの幕を閉じた。
LiSA/中野サンプラザホール
このツアーのファイナルとなった北海道・わくわくホリデーホールで、LiSAは2018年に初となる日本国内のアリーナ公演と合わせたアジアツアーの開催を発表した。ときに迷うときもあるけれど、それすらもバネにしながら、どこまでも前向きに夢を追い続けるLiSAは私たちの元気の源だ。(秦理絵)

終演後ブログ
【速報】LiSA、2000人のピースが咲いた熱狂の中野サンプラザ公演を見た!
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