ライブハウス・バージョンはYO-KING&桜井にベース上野一郎/ドラム須貝直人/キーボード小川文明の、言わば「MB’Sコンパクトバージョン」だったが、このホール2発のみマウンテン・ホーンズ4名とコーラスのうつみようこを加えたフル編成10人バージョン。
ブログのほうにも書いたが、「いつもの」「おなじみの」真心な部分と「初」「新機軸」な真心の両方のある、つまりずっしりとした観ごたえ及び聴きごたえのある、そんなライブだった。
前者、「いつもの」「おなじみ」な部分とは、ライブで定番になっている名曲・代表曲の数々を、しっかり何曲もやってくれたパート。後者、「初」「新機軸」というのは、これまで真心がやらなかったさまざまなことをステージ上で試すパート、の両方があった、ということです。
その、後者のゾーンに突入する時の、YO-KINGの前置き。
「『俺たちは真心だ!』が、相当はみだしたアルバムだったから、ライブではそれを超えなきゃいけない。ここから変化球、隠し玉、反則行為……特に桜井が、ずるいほうへずるいほうへいきます。驚き、笑い、そして、怒ってください!」
ちなみに、「これ、全国各地でやってきたけど、お客さんえらいもんで、ほとんどネタバラシされていないんだよね」とも言っていました。にもかかわらず、私がばらすわけにもいかないので、詳細を書くのは遠慮しますが、要は『俺たちは真心だ!』自体が、「YO-KINGが桜井にむちゃぶりして桜井がそれを実行する」という、真心初の試みをやったアルバムだったわけで、それをそのまま、いやそのままじゃないな、色々とデフォルメしてステージにのっけた、ってことです。
その新機軸パートの2割くらいがYO-KING、8割が桜井。何をやったのか具体的にはっきり書けないのがじれったいですが、えーと、例えば、『爆笑レッドカーペット』を観ている方にわかるあれで言うと、ステージ上の桜井を観ていて、くまだまさしを思い出す瞬間がありました、私は。笑った。
あと、改めて痛感したのが、MB’Sというバンドの能力の高さ。とても音がよかったのも手伝っていると思うが、華やかさ、楽しさ、切なさなどなどもう自由自在。すばらしいグルーヴ。もうなんだか、日本有数の「CDでなく生で観る意味がある人たち」だなあと思った。もう何度観たかわからないくらい観ているのに、今回もそう感じた。
それに対抗して、必死にがんばる感じはゼロ、あくまで飄々と悠々とステージ上に存在し続けていられる、ってことは、やっぱりYO-KINGってすごいんだなあ、とも思ったりもした。(兵庫慎司)