ライブは、2人の黒人女性コーラスの声が素晴らしく響き渡る“Amazing Grace”から、新作『Songs In A&E』からの“You Lie You Cheat”へ繋がっていった1曲目、続く2曲目の“Shine A Light”で、もう完全に聴覚がノックアウトされた。ノイジーなギターの後ろにある甘美なサウンドとあのジェイソンの声。会場にいる全員の全神経がステージから鳴らされる生音に集中しているのがわかる。中盤にやってくれた“Cop Shoot Cop”は永遠に続いてもいい!と思えるほどの中毒性が……。
MCもなく、バンドとオーディエンスの一体感が!とかそういった空気もないけど、観ている側の人間はスピリチュアライズドの音にがっつりと食い入っている。特にその食い付きが凄かったのは、終盤の“Take Your Time”“Come Together”“Take Me To The Other Side”とアンコールに鳴らされた“Oh Happy Day”。どっぷりハマっているところから段々と覚醒していく高揚感がたまらない! 感涙ものの曲順に身体が浮き立ってしまった。
ステージ右側にメンバーに身体を向けて立っていたので、終始、横からの姿しか見えなかったけど、アンコールの最初と最後に「Thank You」と一言発したジェイソン。最後にステージを去るときもバンドメンバーや裏にいるスタッフへ、そしてまた観客に向かって笑顔で拍手をしていたジェイソン。なんかその姿を観れただけでも幸せでした。(石井彩子)