ゆず/横浜アリーナ

ゆず/横浜アリーナ - Photo by 太田好治Photo by 太田好治

●セットリスト
1. TETOTE(YZ ver.)
2. タッタ
3. 公園通り
4. 真夏の太陽
5. 境界線
6. カナリア
7. ガイコクジンノトモダチ
8. 風のイタズラ(岩沢ソロ)
9. 通りゃんせ(北川ソロ)
10. イコール
11. 青白歌合戦
①LOVE & PEACH
②言えずの♡アイ・ライク・ユー
③イロトリドリ
④T.W.L
⑤GO★GO!!サウナ
⑥スマイル
⑦少年
⑧栄光の架橋
12. マスカット
13. 恋、弾けました。
14. 夏色
(アンコール)
EN1. 聞こエール
EN2. アゲイン2
EN3. うたエール
EN4. 地下街


デビュー21年目の新作を携えたツアーの追加公演で、当初の横浜に加え福岡・大阪の計7公演がスケジュールされた「YUZU ARENA TOUR 2018 BIG YELL II 〜Great Voyage〜」、その3公演目にあたる横浜アリーナ。7月末にも同会場で2公演を行なっているので約2週間のうちに5回の横アリ(通算75回で史上最多)ということになるが、場内は見事にパンパン。ステージには巨大な帆船=BIG YELL号が鎮座し、横浜市歌を歌いながら登場した船員姿のダンサー/パフォーマーが注意事項をアナウンスすると、そのまま豊穣なバンド演奏でラジオ体操へと持ち込む。豪華絢爛にして高揚感を募らせる、そんなゆずワールドに飲み込まれる思いだ。

  • ゆず/横浜アリーナ - Photo by 太田好治

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BIG YELL号の船首に立って、“TETOTE(YZ ver.)”で大合唱とハンドウェーブを巻き起こすゆずの2人は、今まさに大海原に出航するかのよう。すると、巨大な船は舳先から観音開きになり、船室の内装セットが現れる。度肝を抜くギミックである。北川悠仁と岩沢厚治はセンターステージに走り、リッチなバンドサウンドで景気良く“タッタ”を歌い上げていった。ニューアルバムの後にも新曲を次々発表しているゆずは、この追加公演で“公園通り”を披露。失われてゆく風景の記憶も抱え込んで進むゆずの2人に、映像ではゆずマンの姿が合成されてひょこひょことついてくる。

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  • ゆず/横浜アリーナ - Photo by 立脇卓

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そんなふうに、序盤のうちからついついビジュアル演出に目を奪われてしまうライブなのだが、それに負けず劣らずサウンドが凄い。情熱的なロックの“真夏の太陽”や、北川が鍵盤ハーモニカを吹き鳴らして美しいハーモニーを導く“境界線”。荘厳なピアノイントロから始まる“カナリア”も驚くべきアレンジが施され、格子状に走る光の模様はまるで鳥籠のようだ。岩沢の生き別れた弟(という体だがどう見ても陽気な外国人)が紹介される北川のビデオレターは要するにニューシングル『マスカット』の宣伝だったが、アリーナ通路に置かれた樽から「悠仁の友人ことユージーン」が飛び出してきてオーディエンスと触れ合いながら届けられる“ガイコクジンノトモダチ”は、メッセージ性の強い楽曲でありながらめちゃくちゃ楽しい。

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さらに、岩沢ソロで狂おしいサビメロが伝う“風のイタズラ”や、北川がフード付きガウンを纏って熱く繰り広げる和洋折衷のラップソング“通りゃんせ”と、新作曲の奔放に広がる音楽性がステージを彩ってゆく。そして、2人で歌うこと、ハーモニーを奏でることの価値を乗せた“イコール”へと至る3曲の流れは、新しいキャリアへと踏み出したゆずの、ゆずでしかない物語としてとても美しかった。

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  • ゆず/横浜アリーナ - Photo by 太田好治
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スクリーン上のアニメーションでは、航海中のBIG YELL号が妖艶な人魚と遭遇。歌を奪われる様子が映し出され、船員たちは生気を失っていた(人魚は水難事故などを引き起こす災厄の象徴として言い伝えられることがある)が、海賊のような風貌の船長(北川)と副船長(岩沢)は呑気に船室のテレビで「青白歌合戦」を観始める。ここからはメドレーで、華々しいビッグバンドサウンドのロックショウが開演だ。オーディエンスをステージに上げてのにらめっこ対決、旗上げゲーム、そして青・白組がひとつになった“栄光の架橋”と、ゆずのインタラクティブ性が全開になる一幕であった。

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  • ゆず/横浜アリーナ - Photo by 立脇卓

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  • ゆず/横浜アリーナ - Photo by 立脇卓
『クレヨンしんちゃん』から野原しんのすけ、そしてゆずマンも登場し、事前にダンスビデオも公開されていた新曲“マスカット”は、スペシャルなコラボアニメ映像も用いられるダンスタイムだ。西日本豪雨災害への支援基金として配信リリースされた“うたエール(弾き語りバージョン)”への協力を呼びかけると、あらためて通算75回目の横浜アリーナについて語る。そして“マスカット”での北川は、キャンディ柄ボディのギターを抱え「75回目にして絶好調ーっっ!!」と昂ぶった声を上げるのだった。本編フィナーレは、極上アレンジの“夏色”。完璧である。

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  • ゆず/横浜アリーナ - Photo by 立脇卓

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  • ゆず/横浜アリーナ - Photo by 立脇卓

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  • ゆず/横浜アリーナ - Photo by 太田好治

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船乗りたちが歌を取り戻し、BIG YELL号が帆を張るアンコール。リフトで船上に上がった2人が“聞こエール”と“アゲイン2”で合唱を誘うと、北川は、路上ライブをやっていた頃はどちらかと言えば自分たちの存在証明のために叫んでいたこと、それがいつからか自分のための歌を歌えなくなり、待っている人がいるからこそ歌ってるんじゃないかと思うようになったことを語る。

  • ゆず/横浜アリーナ - Photo by 立脇卓

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  • ゆず/横浜アリーナ - Photo by 井ノ口喬央

    Photo by 井ノ口喬央

  • ゆず/横浜アリーナ - Photo by 立脇卓
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「バカなことを考えたり、喜んでもらおうと思って空回りしたり、いい曲を書こうとして難しいんだけど、みんなが励みになっています。たいした歌は歌えないんだけど、心から熱い想いを」。そんなふうに届けられた“うたエール”は、ダンサーやホーン隊、しんちゃんやゆずマンを引き連れて行進し、人々に歌を分け与えてゆく。見た目の華やかさ以上に、そこには尊い意味があることを、我々は体感として知っている。そして最後には2人きりで、満場のクラップを受けながら、力強いフォークデュオ炸裂の“地下街”が、アリーナにこだまするのだった。(小池宏和)

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