でんぱ組.inc/幕張メッセ国際展示場2・3ホール

でんぱ組.inc/幕張メッセ国際展示場2・3ホール - All Photo by チェリーマンAll Photo by チェリーマン


●セットリスト
1.でんぱーりーナイト
2.Dear☆Stageへようこそ♡
3.破!to the Future
4.Future Diver
5.ギラメタスでんぱスターズ
6.バリ3共和国
7.ボン・デ・フェスタ
8.かぼちゃタンデム
9.しゅきしゅきしゅきぴ♡がとまらないっ…!/ねもぺろ(鹿目凛&根本凪)
10.ペイルライダー~スバラシキセカイ/LAVILITH(相沢梨紗&桜野羽咲)
11.形而上学的、魔法 w/諭吉佳作/men
12.キラリ☆彡スター☆トゥインクルプリキュア/成瀬瑛美
13.パペピプ☆ロマンチック
14.でんでんメドレー(エバーグリーン~STAR☆ットしちゃうぜ春だしね~ノットボッチ…夏~永久ゾンビーナ~冬へと走りだすお!~くちづけキボンヌ~ブランニューワールド~IDOL~ダンス ダンス ダンス~きっと、きっとね。~エバーグリーン)
15.おやすみポラリスさよならパラレルワールド
16.でんでんぱっしょん
17.強い気持ち・強い愛
18.キラキラチューン
19.プレシャスサマー!
(アンコール)
EN1.私のことを愛してくれた沢山の人達へ w/清竜人
EN2.愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ(新曲)
EN3.いのちのよろこび



でんぱ組.inc/幕張メッセ国際展示場2・3ホール

「まだまだ最高の景色、作っていきたいです。ついてきてくださいね!」リーダーの相沢梨紗がこう叫ぶと、会場のファンもそれに答えるように大きな歓声を上げた。でんぱ組.incにとって2019年を締めくくる総決算のようなライブ。メンバーのSNSに連日上げられるレッスンの様子や、事前に2回配信されたLINE LIVEでの決起集会などで、並々ならぬ意気込みを感じていたが、蓋を開けてみればまさに「フルコース」な内容で、相沢のコールに対するレスポンスの熱さに、今回の公演がどれだけ素晴らしかったのか、その結果が詰まっていた。幕張メッセ2Daysのうち、12月8日に幕張メッセ国際展示場2・3ホールにて行われた「でんぱ組.inc 幕張ジャンボリーコンサート DEMPARTY 幕張式フルコース ~ア・ラ・でんぱ~」をレポートする。

でんぱ組.inc/幕張メッセ国際展示場2・3ホール
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オープニングのVTRが終わり幕が下がると、6分割のスクリーンにメンバーそれぞれがアップで映し出される。今回の2Daysは「和」と「洋」に分かれており、この日は、まさしく「パーティー」を曲名に付けている“でんぱーりーナイト”からスタート。《おいで でんぱーりーナイト》とサビで歌われる今日にぴったりなパーティーチューンでライブをスタートさせると、続く“Dear☆Stageへようこそ♡”では早速、ディアステージ所属のアイドルによるダンサーが登場。カラフルな照明と賑やかなステージによって桃源郷のような雰囲気が作り上げられ、このライブのために相沢がデザインした衣装も特にこの曲にマッチしていた。

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多幸感あふれるステージから一転、激しく動き回る“破!to the Future”からの“Future Diver”という鉄板の流れで開演から4曲を連続で駆け抜けた。MCの自己紹介を挟み、“バリ3共和国”などライブ定番曲で盛り上げると、“かぼちゃタンデム”ではメンバーがステージの両サイドから客席に伸びた花道を通り、観客に近い中央のステージへ。今回の公演では、「でんでんメドレー」や“いのちのよろこび”などで、全体を通して効果的に花道が使われていた。

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メンバーがステージを後にすると、根本凪の家に鹿目凛が来て恋バナをしている、という内容のVTRが映し出される。根本が鹿目に相談していくうちに二人が同じ人を好きになっていて、その人がどちらにも好意を伝えていることが分かり、「どっちが好きなの?」という二人の問いかけでユニット曲がスタート。ガーリーな曲調にセクシーな振り付けが合わさる、ユニット曲ならではの王道なアイドルソングに「ぶりっ子担当」の鹿目とグラビアでも活躍する根本の二人の真骨頂が伸び伸びと発揮されていた。「ねもぺろ」によって可愛さが充満した会場だったが、空気は一変し、次に相沢と桜野羽咲によるユニット「LAVILITH」が安定の歌唱力でダークな世界観に引き連れる。

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ライブ中盤、今度はゲストで諭吉佳作/menが登場。ラジオ番組風のSEででんぱ組と共演できることの嬉しさを伝えると、自身がでんぱ組へ楽曲提供した“形而上学的、魔法”をコラボ。Macの横に立ち、スタンドマイクでコーラスを入れる諭吉の声とでんぱ組のコラボは思わず聴き入ってしまうもので、両者の世界観が混じり合った素晴らしいコラボになっていた。

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スペシャルな内容が続く中、成瀬瑛美による「でんぱ組のライブ、キラやば~」を合図に「プリキュア」がゲストで登場。成瀬が現在声優を務めている『スター☆トゥインクルプリキュア』のオープニングテーマとエンディングテーマを歌い、途中からメンバーも合流。
成瀬は「こんな奇跡あるんだね」と歓喜深げに語り、「プリキュアになるという大きな夢をのびのび育てられたのはファンの皆さんのおかげです」と感謝を伝えた。

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この愛を返していきたいという語りから、今年の「UHHA! YAAA!! TOUR!!! 2019 SPECIAL」で行っていた「ファンラブコーナー」のメドレーに突入。“エバーグリーン”で挟む形で、“冬へと走りだすお!”や“IDOL”など各会場のコーナーで歌ってきた楽曲を特別にmixされた音源で次々と披露していった。「ファンラブコーナー」をはじめ、新しいことに挑戦する大事さを学んだ1年だった、と振り返り、2020年も挑戦していくことを宣言。新しいことに挑戦した曲です、とタイトルコールされ現体制では前日の公演で初披露となった“おやすみポラリスさよならパラレルワールド”をこの日も披露。続いて藤咲彩音の「そろそろラストスパート、はじまるっ」の合図で鉄板曲”でんでんぱっしょん“を投下。“強い気持ち・強い愛”、“キラキラチューン”と歌い終え、本編最後は“プレシャスサマー!”。「ぶっ飛ばしていきましょう」という古川未鈴の曲振り通り、夏のような熱気に包まれ、メンバーはステージを後にした。

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「でんぱ! 幕張! アンコール!」というファンの掛け声が響き渡る中、ステージのピンスポットが照らしたのは、ピアノの前に座るスーツ姿の清竜人。すると、赤いドレス姿の古川も登場し、清竜人が古川の結婚発表に際して作った“私のことを愛してくれた沢山の人達へ”がピアノ弾き語りver.で披露された。清竜人による優しく寄り添うようなピアノと、先日式を挙げたことも報告していた古川の気持ちのこもった歌声に観客にも感動が押し寄せる。曲の最後では、涙で古川が声を詰まらせる場面もあった。改めてゲストとして紹介されると、自身も少し涙ぐんだ様子を見せた清竜人だったが、「赤い衣装、素敵やねぇ」とメンバーとトーク。古川が「ヤバイ曲から、良い曲まで」と2019年は多くの清竜人による楽曲でツアーが回れたことの感謝を伝えた。「よいお年を」と清竜人がステージを去ると、古川が前日同様、「来年春にアルバムが発売されること、それに伴ってツアーを行うこと」を発表しようとした……ところで相沢が止めに入り、前日誕生日だった藤咲へのサプライズに続き古川にもサプライズがあることを告げられると、古川は驚きと困惑の表情でステージ裏へ。

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ステージに戻ってきた古川にはワイヤーが付けられており、新曲“愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ”をコールすると、勢いよく真上に飛んで行った。古川は常々、ライブでやることの夢として「空を飛ぶこと」と口にしており、この夢が果たされた形だ。しかし、「飛ぶ」と表現するには若干疑問の残る形での達成に新曲披露後、「夢ちょっとだけ叶いましたー」と語りつつ、「想像と違う」と漏らす古川。花道を走り回りながら新曲を歌うメンバーと、上下に飛ばされ悲鳴を上げるドレス姿の古川、というでんぱ組らしいハチャメチャでカオスな空間に感動の空気も吹っ飛び笑いに包まれていた。また、この時間は撮影がOKとなっており、でんぱ組では新しい試みとなった。曲の後半では古川も合流し、客席に降りてファンとハイタッチ。新曲は2回歌われた。

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最後の曲は2019年、ツアーで歌い継いできた“いのちのよろこび”。ライブの1曲目に歌われることが多かったこの楽曲だが、曲順を変え、最後に歌われると、また違った聴こえ方がして、曲の良さを改めて感じた。《Oh one life, one love 歌を歌おう愛のメロディー/Oh one life, one love この惑星に光あれ》と手を左右に振り、アカペラパートもありながら繰り返しファンと大合唱。ダンサーも登場し、紙吹雪が舞う中、まさしく大団円といったエンディングだった。

2日間で新しい試みやユニット曲を含めた複数の新曲、また、これまでのワンマンライブではあまりなかったゲストを呼ぶ形など、様々なイベントが詰め込まれた幕張2Daysだったが、両公演とも紛れもなく「でんぱ組のライブ」になっていた。底抜けの楽しさがあり、胸に来る感動もある。成瀬がプリキュアの声優を務め、ライブにプリキュアを呼べたことを「奇跡」と表現していたが、まさに、これからも笑えて泣ける奇跡を見せていってくれると確信させてくれるライブだったように思う。(菊智太亮)

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