Mrs. GREEN APPLE/ぴあアリーナMM

Mrs. GREEN APPLE/ぴあアリーナMM - All photo by 上飯坂一All photo by 上飯坂一

●セットリスト
01. Attitude【4th Full AL『Attitude』より】
02. CHEERS【4th Full AL『Attitude』より】
03. L.P【3rd Mini AL『Variety』より】
04. アボイドノート【Best AL『5』より】
05. StaRt【3rd Mini AL『Variety』より】
06. 道徳と皿【3rd Mini AL『Variety』より】
07. PRESENT【Best AL『5』より】
08. 嘘じゃないよ【4th Full AL『Attitude』より】
09. In the Morning【3rd SG / 2nd Full AL『Mrs. GREEN APPLE』より】
10. ブルーアンビエンス(feat. asmi)【New Mini AL『Unity』より】
11. 月とアネモネ【9th SG『ロマンチシズム』より】
12. 延々【New Mini AL『Unity』より】
13. 君を知らない【New Mini AL『Unity』より】
14. 僕のこと【8th SG / 4th Full AL『Attitude』より】
15. 青と夏【7th SG / 4th Full AL『Attitude』より】
16. インフェルノ【Digital SG / 4th Full AL『Attitude』より】
17. うブ【2nd Full AL『Mrs. GREEN APPLE』より】
18. ロマンチシズム【9th SG / 4th Full AL『Attitude』より】
19. ダンスホール【New Mini AL『Unity』より】
20. Theater【Best AL『5』より】
21. Part of me【New Mini AL『Unity』より】
(アンコール)
En1. 我逢人【2nd Mini AL『Progressive』より】
En2. ニュー・マイ・ノーマル【New Mini AL『Unity』より】


Mrs. GREEN APPLE/ぴあアリーナMM
約1年8ヶ月の活動休止期間を経て、「フェーズ2」として再始動を果たしたMrs. GREEN APPLE。そのフェーズ2初ライブとなる「Mrs. GREEN APPLE ARENA SHOW “Utopia”」が7月8日、横浜・ぴあアリーナMMで開催された。ワンマンライブは2020年2月の「エデンの園」追加公演以来、実に2年5ヶ月ぶり。思えば、あの国立代々木競技場 第一体育館でのライブが、個人的にも最後にみんなで歌ったライブだった。振り返ると果てしなく遠い過去のようにも思えるが、1曲目の“Attitude”が流れた瞬間、その空白が一気に埋まっていくような感覚を覚えた。森夏彦(B)、神田リョウ(Dr)という敏腕サポートミュージシャンを迎えてのパワフルなサウンド、そして凛々しく響き渡る大森元貴(Vo・G)の歌声。最初の一音が鳴った瞬間から、「ああ、ミセスだなあ」と感動する。

Mrs. GREEN APPLE/ぴあアリーナMM
Mrs. GREEN APPLE/ぴあアリーナMM
“CHEERS”でさらにボルテージを上げると、メジャーデビュー作『Variety』からの“L.P”へ。若井滉斗(G)のギターがエネルギッシュに疾走し、ステージ上のLEDに映し出される映像がそのエネルギーをブーストする。ちょっと前の曲だから一層はっきりとわかるが、サウンドの質量が確実に増し、ソリッドになっているのが伝わってくる。さっきまでちょっと感傷的になっていたが、一瞬にして過去の残像が吹っ飛んでいくようだ。それにしてもオーディエンスの熱量がものすごい。一曲一曲、イントロが流れるたびにとんでもない音量の拍手がぴあアリーナを震わせている。ファンの思いが怒涛のように溢れ出し、空気をさらに熱く濃いものにしている。

「Mrs. GREEN APPLEです! ちょっと感極まっちゃってるんですけど……」と大森。藤澤涼架(Key)は「お久しぶりですー!」と笑顔だ。若井は大森からの「イワイ」という定番の言い間違えにツッコミを入れつつ、「ただいま! 本当にみんなに会いたかったんです」と客席に語りかける。ちょっと鼻声なのは「さっきちょっと泣いたから」とさっそく感情が溢れていることを告白すると、オーディエンスからは温かい拍手が送られた。

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その後もライブは一瞬たりとも無駄にしないとでもいうような密度とテンションで進む。 “アボイドノート”を経て文字通りミセスの「はじまりの歌」である“StaRt”へ。若井がステージの中央から伸びる花道を進み出てギターを弾くと、藤澤もキーボードをほっぽり出してそこに駆けつける。オーディエンスの手拍子がアリーナを覆う中、大森が「ただいまー!」と叫ぶ。鮮やかに塗り替えられていく「はじまり」の景色に、そうか、これが幕開けなんだと改めて思う。さらにここからは“道徳と皿”、“PRESENT”(英語バージョンと日本語バージョンをミックスして披露)、そして“嘘じゃないよ”とレアな楽曲を連打。花道の先のセンターステージも駆使しながら、さらにフレッシュに展開する中盤戦。「披露したことない曲だらけでドキドキでしたね」と大森は振り返ったが、3人ともとても楽しそうだ。

ハンドマイクで“In the Morning”を歌うと、ここで大森がステージにスペシャルゲストを呼び込む。シンガーソングライターのasmiだ。彼女が登場したということは、そう披露されるのは『Unity』からの“ブルーアンビエンス”だ。大森とasmiのデュエットがとても新鮮に響く。軽やかにステージ上を躍動しながら歌う大森を見ていると、彼らが今、とても自由に音楽に向き合っていることが伝わってくる。続く“月とアネモネ”では大森と若井がアイコンタクトを取りながらギターでハーモニーを奏でる。サポートメンバーがいたり、ゲストが登場したり、ライブ全体としてもよりショウアップされていたり、いろいろなところが変化しているが、バンドとしての緊密な結びつきはむしろ一層強化されている感じがする。3人の視線がバチッと同じ方向を向いて、パワフルに突き進んでいる感じがするのだ。

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ステージ上に火柱も上がった“延々”をヘビーに決めると、続いては“君を知らない”。『Unity』からの楽曲が続く中で、今のミセスのビジョンがくっきりと浮かび上がる。楽曲それぞれのキャラクターを120%引き出すアレンジとステージ演出。よりエンターテインメントで、同時により音楽的な、フェーズ2のミセスはとてもタフだ。休止期間中のことを振り返って、「休止して拡大していっているのがめちゃめちゃ不思議な気分だった」と語る大森。「復帰してるんだけど、なんかミセスごっこをしているみたい」とユニークな言い回しでその奇妙な感覚を表現してみせると、ギターの弾き語りから入った“僕のこと”の《ああ なんて素敵な日だ》という歌詞で今のミセスを照らし出す。

さらに“青と夏”、“インフェルノ”とまさにこの休止期間中に膨れ上がったミセスという現象を象徴する楽曲を立て続けに披露すると、軽やかな“うブ”を経て“ロマンチシズム”へ。驚くことに、ステージ前方の床がベルトコンベアのようになっていて、大森はその上を歩きながら歌っている。こんな仕掛けをここまで取っておくのも贅沢な話だが、それだけに効果的。大森は客席にマイクを向けて「心で歌え!」と叫ぶ。終盤に至ってますます鮮烈に、エモーショナルにライブは展開していく。しかし驚きはそれだけではなかった。続く“ダンスホール”ではダンサーが登場し、大森とともに息のあったダンスを繰り広げる。ソロ曲でもキレキレのダンスを見せていた彼だが、そのスキルがミセスにも惜しげもなく投入されていて、こんなところにもすべてがつながって今ここに辿り着いているんだと胸が熱くなる。サポートメンバーも含めた全員のソロ回しも決まり、いよいよライブはクライマックスだ。

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「新章が始まって、いろんな不安の中走り出せて、これだけの人が集まってくれて。信じられない。どういうMCをしたらいいかわからないくらい」と大森。フェーズ1を「青春でした」と総括するが、「でも青春が終わったわけじゃなくて、また新しい出会いや別れを繰り返していくのが生きていくことだと思っています。すごく温かいものが詰まっている7年間だった。俺らはそれをずっと歌っていきます」と語りかける。そして「僕らにとっての青春ソング」として演奏されたのはフェーズ1の終わりを飾った“Theater”。感情を込めた若井のギターと藤澤のキーボードの上で、大森の歌声はどこまでも優しく響く。そんな“Theater”を終えて、大森は花道をまっすぐ歩いていく。スポットライトに照らされて歌った本編最後の曲は“Part of me”。ステージに残っている藤澤の弾くピアノと慎重に息を合わせながら歌うその姿には凛とした強さがあった。

アンコールでは“我逢人”を力強く響かせると、意外にもミセスにとって初となるZeppツアー「Mrs. GREEN APPLE Zepp Tour 2022 ゼンジン未到とリライアンス〜復誦編〜」の開催を発表して大きな拍手を浴びた3人。若井が「休止期間は自分たちだけじゃ乗り越えられなかった。正直辛いこともありました。たくさんの方がサポートしてくれて、こうして今日ここに立てていることが嬉しいです」と改めて感謝を言葉にすると、藤澤も「もちろん、またみんなに会うために頑張っていたけど、不安になることもいっぱいあった」と語る。大森は「すごく支えられています。若井にも涼ちゃんにもすごく支えてもらっています……今、俺泣きそうかも」とまた感極まっている。再び走り出すまでが「すごく怖かったです」という彼の言葉は、普段あまり見せない本音だったろう。あらゆることを乗り越えて辿り着いた今日。そのラストを飾った“ニュー・マイ・ノーマル”は頭上に青空が広がっていくようにどこまでも伸びやかで清々しかった。「また会いましょう! ありがとう!」。力強く約束すると、3人は笑顔でステージを降りていったのだった。(小川智宏)

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