一人先に登場した小出がステージ背後の黒幕を自ら落とし、「日比谷ノンフィクション」と大きく筆文字で書かれたバックドロップが露になってライブはスタート。1曲目はシングル『神々LOOKS YOU』のカップリング曲“image club”からという意外な選曲だったが、続く“ELECTRIC SUMMER”“YUME is VISION”とライブ定番のナンバーを連発して一気に客席の温度を上げる。
彼らにとっては初の野音となるこの日。空は分厚い雲に覆われているけれど、なんとか雨は降らなかった。なんでも事前の予報では土砂降りになる確率大だったそうだ。「僕らも雨バンドの汚名を返上しつつあるのかな」、とは小出。天はギリギリで彼らの味方をしたみたいだ。
新作アルバムを引っさげてのツアーではないだけに、この日はセットリストもなかなかに攻撃的だった。中盤では“FICTION ONCE MORE”、“気付いてほしい”でずぶずぶのダブ・サウンドを展開したり、バンドを結成して最初に作った曲だという“ホワイトワイライト”を披露したり。インディー時代の曲を数多く披露するのはいつものことだけれど、それでも普段のライブではなかなか観られない選曲だろう。
また、彼らのライブではMCでネタや余興のようなことをやるのも定番なんだけど、この日はそれも抑えめだった。いやまあ、「小出がシンジ、関根が初号機に扮してエヴァの“暴走シーン”を再現」という、見た人以外には何のこっちゃわからん小芝居もあるにはあった。ところどころで笑いをとりにいこうとする小出のMCも健在だった。でも、これまでより格段に演奏そのもので勝負している印象。当たり前なことだけれど、彼らはライブバンドなのだ。時折まるで唸り声のようになりながらも声を枯らして叫ぶ小出、クールに構える関根、髪を振り乱しながらギターを弾く湯浅、どんどん客を煽る堀之内。4人それぞれのプレイヤーとしての逞しさが前面に出てきていた。
終盤は、“夕方ジェネレーション”から“真夏の条件”“ドラマチック”、“LOVE MATHEMATICS”まで畳み掛けるようにアップテンポなナンバーを連発。すっかり暗くなった野音の客席をカラフルなライトが照らす。息もつかせぬテンションで本編は終了。それにしてもつくづく“夏のアンセム”の多いバンドだよなあ、と痛感させられる。そしてアンコールはそこに新たに加わった、リリースされたばかりの新曲“BREEEEZE GIRL”。そして“祭りのあと”。「もっと! みんな、もっと!!」と小出が叫ぶ。まだ6月の終わりだけれど、野音の空気にはすでに真夏の夜のような熱気が宿っていた。
ダブルアンコールを経て、ステージの最後には、来年の1月3日に日本武道館でワンマン・ライブを行うこともアナウンスされた。遂に武道館である。観るたびに目覚ましい成長を遂げ、どんどんデカい存在になっていくBase Ball Bear。彼らの勢いが止むことは、当分なさそうだ。(柴那典)
1.image club
2.ELECTRIC SUMMER
3.YUME is VISION
4.ラビリンスへのタイミング
5.彼氏彼女の関係
6.東京ピラミッド
7.GIRL FRIEND
8.FICTION ONCE MORE
9.気付いてほしい
10.愛してる
11.ホワイトワイライト
12.夕方ジェネレーション
13.真夏の条件
14.ドラマチック
15.WINK SNIPER
16.海になりたい
17.CRAZY FOR YOUの季節
18.LOVE MATHEMATICS
アンコール
19.BREEEEZE GIRL
20.祭りのあと
アンコール2
21.HIGH COLOR TIMES