Ken Yokoyama@新木場 STUDIO COAST

Ken Yokoyama@新木場 STUDIO COAST  - pic by TEPPEIpic by TEPPEI
『The Rags To Riches Ⅲ』と銘打たれたツアーの最大のクライマックスと言えるデカバコ・新木場STUDIO COAST公演。HAWAIIAN6との師弟対決的なツー・マンと公表されていたのだけれど、いざ開演されるとケニーを慕う若手バンド――Dradnats、Inrun Publics、At Anytime、Innocent、そしてアコギ少年・Eiku――が代わる代わる飛び入り! キッズにとっては何とも嬉しいサプライズだったと思うし、世代を超えたバンドマンの熱き交歓は観ていて実に清々しいものがあった。

19時を少し回ったころ、HAWAIIAN6(自称ビジュアル系・笑)が登場。「Ken Bandの前にお邪魔します、HAWAIIAN6です! 遠慮すんなよ、思っきり遊べよ~っ!!」とHATANO(Dr)が呼びかけて“star falls on our hands tonight”になだれ込むや、フロアはすぐさまモッシュ&ダイブでバースト! 3月にここ新木場STUDIO COASTを大炎上させた自身のレーベル「IKKI NOT DEAD」のイベントを彷彿とさせる、熱狂が立ち現れた。鋭利なマイナー・コードがこの世のあらゆる不条理に刃を突きつけ、“Magic”や“Rainbow,Rainbow”などブライトなナンバーが世界の全てを祝福するように共鳴。「ツアー・ファイナルに呼んでくれた兄貴・横山健に感謝します!」(HATANO)と最大級のリスペクトも届けてオープニングを全うしたHAWAIIANだった。

ひたすらボン・ジョヴィがリピートされる転換を経て(しかも“You Give Love A Bad Name”が、延々と……お客さんも半ば呆れて手拍子してましたが・笑)、いよいよKen Bandが登場!
文字通りギッチギチのフロアと相対して、「戻ってきたぞ! やりますかぁ!?」と笑顔を浮かべてケニー。そして右サイドのMinamiが“Kill For You”のリフをかき鳴らし、バンドがライド・オンするのを合図としてフロアのキッズが一斉にライオット! またこの時間を共有できるんだという喜びを一時にスパークさせながら、COASTの熱は瞬時に高まっていく。続く“Summer Of '99”では「Summer!」「99!」と盛大なコール&レスポンスが湧き上がり、間髪入れず“Pressure”! さらに“Your Safe Rock”ではケニーとMinamiのユニゾン・ギターが火を吹き、その後の“How Many More Times”での、胸を焦がすような青春的なビートが場内に幾つものコブシを屹立。2階席からの眺めは息を呑むほど圧倒的だった。

ブレイクでは「よぉ来てくれた!」とキッズを労うケニー。その後方では新メンバーである赤マスクのイシダーマン(シルエットはどう見てもガンちゃんなんだけど・笑)がタイトなリズムを量産。Jun
Grayには「アナコンダさ~ん!」との声援も飛ぶ(果たしてなぜアナコンダなのか? 詳しくは彼のTwitterで!)。ケニーも引っ切りなしに声を掛けられて、「俺はタモさんかよ!」と思わずツッコミ。これだけの大バコながら、いつものライヴハウスと変わらぬアット・ホームな空気を作り上げてしまうのは流石。初期のアンセム“Running On The Winding Road”では特大のサークル・ピットも勃発し、そして「今、俺がいちばん言いたいことが歌詞になってる曲やるわ! バカ騒ぎして、家に帰ったら歌詞カード見てみて!」と、終盤には“Let The Beat Carry On”をプレイ。このビートをどうか絶やさないでほしいという、ケニーのその切なる気持ちに共振するようにオーディエンスは熱烈にリアクト。さらに“Still
Burning”と続け、アルバム『Four』と同様のクライマックスで本編を終えたKen Bandだった。

「ありがとう! もうちょっとやらせてもらうわ」と、アンコールで“Stay Gold”、“Believer”と再びトップ・ギアで疾走。さらにダブル・アンコールでもハイスタ・ナンバー“The Sound of Secret Mind”を奏で(俺の青春がフラッシュ・バック!)、さらにトリプル・アンコールでは突発的にケニーのストリップ・ショーも開チン(いや、まじギリッギリでした!爆)と、実に6度のアンコールにも応え(最後はケニーの弾き語りでフィナーレ)、2時間半にも及ぶパンクロック・エンターテイメント・ショーは大団円を迎えたのだった――。残すは来週末の沖縄2公演のみ、行かれる方は思っきり楽しんで!(奥村明裕)

セットリスト

01. Kill For You
02. Summer Of '99
03. Pressure
04. Cute Girls
05. Your Safe Rock
06. Jealous
07. What It Means To Love
08. How Many More Times
09. My Shoes
10. Popcorn Love
11. Falling From Grace
12. Why
13. Addams Family The Theme
14. What Kind Of Love
15. Go With The Flow
16. Running On The Winding Road
17. Walk
18. Let The Beat Carry On
19. Still Burning

~ENCORE 1~
EN01. Last Train Home
EN02. Stay Gold
EN03. Believer
EN04. Punk Rock Dream

~ENCORE 2~
EN05. The Sound Of Secret Minds
EN06. Ten Years From Now
EN07. I Go Alone Again

~ENCORE 3~
EN08. -BLUES SESSION-

~ENCORE 4~
EN09. Ricky Punks
EN10. Ricky Punks II (The Lamepire Strikes Back)
EN11. Funny Things
EN12. Don't Make Me Pissed Off, Fuckin' Son Of A Bitch

~ENCORE 5~
EN13. Kokomo
EN14. The Cost Of My Freedom

~ENCORE 6~
EN15. Sleep <acoustic>
EN16. Tiny Soul <acoustic>
EN17. I Love <acoustic>
EN18. So Sorry <acoustic>
EN19. Longing (A Quiet Time) <acoustic>
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