WEAVER@恵比寿リキッドルーム

WEAVER@恵比寿リキッドルーム
「♪ハッピーバースデー、dear WEAVER!」。アンコールで登場した杉本(Vo/Piano)、奥野(B)、河邉(Dr)の3人に向けて、フロアから突然沸き上がった割れんばかりの大合唱。感極まりまくるメンバー。特に河邉。もう顔くしゃくしゃにしてマジ泣き。そう、神戸発のピアノ・ロック・トリオ=WEAVERが昨年の10月21日に配信シングル『白朝夢』でデビューしてから、このライブの翌日で丸1周年。CM曲にも起用された“僕らの永遠~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~”で一気にお茶の間レベルでお馴染みの存在になったWEAVERだが、まだ21~22歳という若い3人はこの1年の間、浮き足立つことなく着実に、自らの楽曲を通して/ライブを通して、オーディエンスとの密接なコミュニケーションを育んできた……ということを象徴するような、感動的な瞬間だった。

「リハーサルやってて、『どんぐらい顔が見えるんだろう?』って想像してたんですけど……想像を超える顔の多さにびっくりです!」と杉本も上気した顔で言っていたように、全国6公演のワンマン・ツアー『WEAVER Second TOUR 2010「新世界創造記」』の5本目、リキッドルーム恵比寿のフロアはぎっちぎちの満員。まだツアー・ファイナルの新潟公演が残っているのでセットリスト全掲載は割愛するが、8月にリリースしたミニアルバム『新世界創造記・前編』からの“心の中まで”“つよがりバンビ” “Hard to say I love you~言い出せなくて~”、9月の『新世界創造記・後編』からの“愛のカタチ”“新世界”“管制塔”といった新しい楽曲群を軸に、アンコールまで含め約2時間を構成した、意欲的な内容だった。「ここ東京にしか作れない『新世界』を作っていきましょう!」という杉本のアツいメッセージはもちろん、杉本のセンチメンタルで真っ直ぐな歌と変幻自在なピアノ・プレイが、河邉のエモーショナルなドラミングが、そして5弦ベースを駆使しながらグルーヴ感の核を形作っていく奥野の図太いラインが、リキッドルームの温度をじっくりと上げていく。

一般には“僕らの永遠”の爽快なピアノ・ポップスっぷりの印象が強いであろうWEAVERだが、たとえば“キミと僕とのテーマソング”の祈りにも似た切実なメロディと言葉にしても、“管制塔”のアグレッシヴなロックのダイナミズムにしても、彼らがピアノ・ロックの3ピースという概念に収まらない自由さと鮮烈さを持ったバンドであることを物語っている。時折、「同じクラスで出会って学校に馴染めなかった高校時代の話」という思い出話や「僕(杉本)は甘いものが好きなんですけど、神戸ではアイスといえばハーゲンダッツかサーティーワン、ドーナツといえばミスド。東京はいろいろあってほんといいですよね!」といったご当地(?)MCで和ませたりしていたものの、この日のアクトの間中フロアに漂っていた凛としたピュアな空気感はまさに、彼ら自身の音楽に対するひたむきさそのものだった。

音楽で少しでも人に元気を与えたい、と繰り返し語り、アンコールの「ハッピー・バースデー!」の後にも「ありがとうございます。本当なら、僕らが感謝すべきところなのに……」と、感極まりながらもその謙虚さを決して崩さなかった彼ら。音楽を人に伝え、それが広がってプレシャスな空間を作る……ということの重さを噛み締めながら、決意をもってそこへ進もうとする姿勢が、びりびりと伝わってくるアクトだった。アンコールでは、来年4月1日・NHK大阪ホール公演&4月3日・渋谷C.C.Lemonホールでのワンマン・ホール公演決定!という発表が杉本の口から飛び出すと、オーディエンスの熱気はさらにヒート・アップ! 彼らが作り出す歓喜の輪は、まだまだ大きくなりそうだーーと確信させてくれるステージだった。(高橋智樹)
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