Ken Yokoyama @ Shibuya O-EAST

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本来は4月15日に行われる予定だったのだけれど、東日本大震災の影響を考慮して延期となり、今宵、晴れて開催となった『Born Again Tour』東京公演。会場の渋谷O-EASTは、ただでさえKen Bandのライヴ会場の熱気はスゴいのに、約1ヵ月の間に膨れ上がった期待感でムンムン! 前公演にあたる4月28日の盛岡Club Change WAVEでは、実に4度のアンコールにまで応える熱演を見せたKen Bandだが(ケニーは被災地のことを思って感極まり、人目を憚らず涙する場面もあったそう)、それに勝るとも劣らず、この夜もアツかった!時に無軌道に(いつもより多めに脱線していらっしゃいました・笑)、しかし確実にテッペン目がけて駆け上がる濃密なステージが繰り広げられた。

20時15分、ゲストに迎えたPizza Of Deathの若頭=F.I.Bのステージ(激エッジィな新曲を披露!そして特大のサークル・ピット勃発!えんだぁ、年内に2ndフル・アルバムのリリースを計画中とも!)の後、新ドラマーに“まっちゃん”こと松浦英治(Mr. Orange / 30%Less Fat / Bravo★Brothers)を迎えてボーン・アゲインを遂げたKen Bandが登場!今年1月25日をもって創世記から7年にわたってバンドを支えてきたドラマー・ガンちゃんが脱退したのは衆人の知るところだが、この夜が新体制での東京初ライブとなるのだ。ふらりとステージに現れて、「1ヵ月のびちゃってホントに申し訳なかったと思って。それによって来られなくなった人が周りにいたら、マジごめんって伝えといて」と、まずはお詫びの言葉を届けるケニー。そして、「1曲目は、カバー・ソング。これには“脱原発”っていうメッセージがあるのね。この中にお父さんが東電の副社長さんの人がいたらごめん(笑)」と笑わせつつ鳴らされたのは、3rdアルバム『Third Time's A Charm』に収録の“Daydream Believer”だ。いつもと趣の異なる幕開けだが、快活なバンド・サウンドとケニーの強い気持ちがフロアの一体感を一気に高め、さらに“POPCORN LOVE”、“Pressure”、“Love Me Slowly”と猪突ファッキン猛進!ひっきりなしのクラウド・サーフとモッシュでゴッタ返す“いつもの光景”がフロアに立ち現れた。新入りを気づかってか、ドラム・セットに振り返る回数こそ多いものの、文字通り一枚岩のサウンドは「今が最強布陣」とのケニーの言葉を裏付けるに十分。「こうやって楽しめるのはイイもんだ!」と笑顔も弾ける。
Ken Yokoyama @ Shibuya O-EAST
ブレイクでは、おなじみJun Grayのアナコンダ話(=つまりデカ●ンを泳がせる話・笑)に始まり、「いろんなモノの弾みでやることになりました!ぜひ来てください。俺も、難波くんとツネくんに誘われたら出るかも(笑)」と、9月18日の一大イベント『AIR JAM 2011』にも言及。この日販売された「WE ARE FUCKIN’ ONE」とプリントされたチャリティTシャツについては、その売り上げ収益を計画中の東北フリー・ツアーの資金源に充当するとのこと(フロアには「宮城から来た!」というお客さんもいらっしゃいました)。「はじめまして!松浦英治です。え~、ぼ、ぼ、僕はドSです(笑)」と、まっちゃんもオーディエンスにご挨拶。名誉のために言っときますと、ドSの下りは完全にケニーに言わされていたまっちゃんでしたが(笑)、フロアからは温かい歓待の拍手が贈られた。そのまっちゃんが、「今日、元ザ・ブルーハーツの河口純之助さんいらっしゃってますか?」と問えば、「おーい!」とフロアにご本人の姿が!おもむろに「♪ドブねーずみ~」とケニーが弾き語れば、瞬く間にEAST中が大合唱!そんなレアなハプニングに表情を和ませ、いつも以上に虚心坦懐に、いい意味でカジュアルにライブを楽しんでいるケニーの姿が印象的。また、手に余る現実に対して何とか気持ちを言葉にしようとして、結果こんがらがってしまう“着地点のない(本人談)”MCには、返って彼の誠実さみたいなものが映し出されているように思えてならなかった(「無邪気に楽しみたいと思ったら、こんなグダグダになっちゃって。Hi-STANDARDの時はびっしりキメるからね。アハハ!」とも・笑)。
Ken Yokoyama @ Shibuya O-EAST
この夜も3度のアンコールに応え、Wアンコールでの「Sukiyaki」では、サージに代わってまっちゃんが歌唱!男気溢れる歌声とパワフルで一本気なドラミングがEASTに響きわたった。いきなりのキャラ立ちっぷりを見せつけたまっちゃんだが、注目は、今後どんなふうに“開発”されていくのかということ。突然、マスクを被った“マツウラーマン”に変身してしまうのか!?あるいは、これは最も恐れるべきことだが、ステージでストリップしてしまう日が来るのか――。まっちゃんの身を案じまくりつつ(合掌……)、新生Ken Bandの進撃を楽しみに見届けたいと思う。6月23日の宮崎SR BOXからは、この『Born Again Tour』の「Season II」がスタート!(奥村明裕)
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