トップは木村カエラ。8曲という短いセットだったけど完璧。“YOU”や“TREE CLIMBERS”も聴けたし。何か演出を考えたり見られ方を意識して工夫したりするんじゃなくて、自然に、作らずに、楽しそうにステージにいること自体が最高のパフォーマンスになっているカエラって、すごいなあと思う。特にラスト2曲。渡邉忍のギターもやけにドスの効いたカエラの歌も、パンクってよりメタルに近い重さと鋭さを持った“マシマロ”。続いて民生の作詞作曲プロデュースだったシングルで、カエラの曲の中で最も「歌い飛ばす」みたいなラフなかっこよさのシングル“BEAT”。圧巻でした、もう。
続いてB-DASH。全11曲があっという間だった。普段ダイヴの雨モッシュの嵐みたいなライヴをやっているバンドであって、ゆえにここでは正直最もアウェイだったと思うが、それを意に介さず(いや、意に介してないことはないと思うけど、それを態度や表情に出すようなことはせず)、飄々と楽しそうに、いつもの感じで次々と爆音を次々と重ねていく。さすがに大暴れするお客さんはいないが、曲が終わるごとに拍手や歓声が大きくなっていく。中盤で“ワインのばか”も披露。アルバムを聴けば明らかな通り、「あの曲をこうする!?」的な楽しさに満ちていた。
が。やはり圧巻だったのは民生。こういうツアーなんだから、もうちょっとこう、お気楽で、楽しげで、ゆるくてもいいじゃないか、と思った。いや、お気楽だし、楽しげだし、ゆるくもあるんだけど、同時にとにかく音がシビア極まりないというか、悠々としてるんだけどものすごくごっついというか、もう日本人じゃないというか、ギターのカッティング一発で、「うーいぇい!」というシャウト一発で、その場の空気がガラッと変わる感じ。
ベース小原礼・ドラム湊雅史・鍵盤斉藤有太のバンド勢がそれぞれプレイヤーとしてすさまじいのももちろんあるが、それ以上に民生がすごい。すごいって、前からすごいじゃん。それに、このバンドになったのも、もう1年半くらい前じゃん。そうなのだ。なのに改めてすごいすごいって言ってるってことはどういうことかというと、つまりどんどんすごくなっているのです、ロックンロールをやる人として。どこまで行くんだろうこの人。
初日だからなのか、シュノーケル、detroit7、フジファブリックなど、後輩たちが観に来ていたけど、後輩たちもイヤだと思う、こんな追っても追ってもどんどん先に進んで行っちゃう先輩は。もうちょっとこう、止まるとか枯れるとかしなさいよ、もう42なんだから。
なお、今日からツアースタートなので選曲はバラせませんが、今年の曲と、ここ1年2年3年くらいの曲が中心、つまり新しめな曲が中心だけど、懐かしくてうれしい曲もいっぱいやってくれました。
本日のレポート、以上。民生、明日は同じZepp TOKYOでTHEピーズとおっさん対決です。そっちは12月20日発売のロッキング・オン・ジャパン1月号でレポートしますので、ぜひ。(兵庫慎司)