the band apart @ 渋谷O-EAST

DVD『String 4 Snowman』リリースに合わせた秋ツアー『SMOOTH LIKE BUTTER TOUR Autumn 2011』で全国を巡ったバンアパが、渋谷O-EASTにてツアー・ファイナルを敢行。まずは、ゲスト・アクトのseasonが登場。“Good Day”、“remember the time”など12月14日にリリースとなるアルバム『grass and trees』(実に10年ぶりの新譜にして充実作!)収録曲をメインに、疾走感に満ちたエモーショナルなサウンドを矢継ぎ早に放ち、フロアの熱を高めていく。ライブは年数本、極端に寡作とあってまだ知る人ぞ知る存在だが、今後は活動ペースを上げていくと意気込んでいたので、『grass and trees』発売を機により多くのリスナーに届いてほしいと思う。

午後8時を過ぎたころ、サウンド・チェックでオンステージしていたバンアパが、そのまままライブをスタート(飾らないオープニングが実に彼ららしい!)。1曲目の“Flower tone”からフロアは大きくうごめき、続く“Game,Mom,Erase,Fuck,Sleep”でその揺れは一層激しく巨大なものとなり、立て続けの“cerastone song”投下で一気にバースト!
爽快なビートとグルーヴが夏を引き戻したような熱狂を生み、冒頭からEAST場内は汗ばむくらいの熱気に包まれた。

「こんなに集まってもらって、ありがとうございます! 一応ツアー・ファイナルなんで、みんなに楽しんでもらえたらと思います。よろしくお願いします!」との荒井のMCに喝采が起こる一方、ブータン国王でも来日したかと思うほどの熱烈な原さんコールが! 「今、誰か『マラさん!』っつったろ??(笑)ちょっと入院してましてご迷惑をおかけしましたが、今じゃ、ものスゴい勢いで二郎(ラーメン)とか食ってますけど(場内爆笑!)。今日はよろしく!」と、急性膵炎&網膜剥離という病床の日々を克服し、すっかり絶好調の原氏である。

「秋のツアーみたいな感じで、対バンで10月からツアーしてきました。無事、帰ってこれてよかったです。いろんなところで、いろんな人に来てもらって、相変わらずラッキーなツアーでした。ありがとうございます!」(荒井)と、1ヵ月以上にわたったツアーを終えようとする感慨を語りつつ、ひたすら楽曲を畳み掛けるバンアパ――身震いするくらいグルーヴィな“The Sun”に場内大沸騰となったり、原の小粋なラップから“Karma Picnic”が始まる新機軸があったり、“higher”から“bacon and eggs”への急旋回がめちゃくちゃドラマチックだったり、真っ赤なライトを浴びた“bind”のアウトロがいつもにも増してメガデス調だったり、ミラーボールの輝きの中で放たれた“light in the city”の爆音がまた格別だったりと、いくつもの胸の高鳴る瞬間が――。演奏は安定しつつも躍動感と高揚感に溢れていたし、コンスタントに数千人キャパのハコをソールドさせる彼らの力量を証明するに十分なものだったと思う。何よりメンバー自身がステージを心底楽しんでいて、「昔の映画評論家じゃないけど、バンドってホントにいいもんですね」と原もしみじみ(場内大喝采!)。Wアンコールにも応えた全20曲、約1時間45分の快演だった。(奥村明裕)
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