flumpool @ さいたまスーパーアリーナ

flumpool @ さいたまスーパーアリーナ
flumpool @ さいたまスーパーアリーナ
今日のライヴで「ありがとう」という言葉を山村(Vo/G)は何度も何度も繰り返していた。何度言っても言い足りないくらいの「ありがとう」の気持ちがさいたまスーパーアリーナに集まった1万6000人の人々に届けられ、1万6000人の「ありがとう」がflumpoolとの間で交換されたような、ファンにとってもflumpoolにとっても特別な2日間だったと思う。『flumpool Special Live 2011 「Present~ありがとう祭り!今宵は歌おう!踊り尽くそう!~」 at さいたまスーパーアリーナ』と題したflumpool史上最大規模となるさいたまスーパーアリーナでの2Days公演。2日目となる今夜は『~Day of promise “約束”~』というテーマで1日目とは内容も変えたセットリストで臨んだ約3時間。映像演出はもちろん、花道やカラーテープ、炎、爆発などの特効演出、そして総勢50~60人はいたと思われるダンサーやコーラス隊、ストリング隊、さらにはメンバーそれぞれの学生時代の文集を公開してメンバー紹介するという4人の素顔を垣間見れるような企画など、一時たりとも見逃すことのできないアリーナならではの豪華演出満載のまさにスペシャルな一夜となった。

会場暗転とともにクリスマスカラーに彩られた衣装をまとった十数人のダンサーが現れ、ストリングスの演奏とともにファンタジックなオープニングを演出。花道の先にあるアリーナ中央のステージで観客にプレゼントを投げ配る一人のピエロダンサーに目を奪われていると、突如本ステージに眩い光が照らされ、flumpool、ストリングス隊、コーラス隊による"Happy Xmas(War Is Over)"でライヴはスタートした。幻想的な世界観にオーディエンスを誘い、次の"花になれ"では山村がアリーナ中央のステージへ瞬間移動し、まるでマジックエンターテインメントショーでも観ているかのような感覚に。阪井(G)、尼川(Ba)もそれぞれステージの左右端に向かって観客を煽動していき、まだ始まったばかりだというのに圧倒的な一体感でこの広い会場を一つにしてしまった。

「まだ3曲ですけど、みんな最高ですよ。どうもありがとう!」と山村。そして、さいたまスーパーアリーナのことを「たまリーナ」と略して「たまリーナ」コールを会場に起こした阪井は「3曲目ですよ、まだ。いいんですか、こんな一体感、この段階で出して」と1万6000人から放たれるとてつもない熱気に超興奮。メンバーの抑えきれない興奮に応えるかのように"two of us"で左右に手を振りながらさらなる一体感を生み出し盛り上がる会場に、山村はバック映像に映るカメラを通して満面の笑顔を贈り続け、1曲1曲が終わるごとに「ありがとう」と感謝の気持ちを言葉にした。

全国各地から集まったファンに向けて山村は「音楽を通して一つの場所に集まって、自分の限りある人生の中でみんなといい思い出を作っていけることが嬉しいです。たとえ今日が終わってしまっても、今日という日の思い出が僕たちをもっと繋げてくれるようにという1曲を贈りたいと思います」と大事に語りながら"Snowy Nights Serenade~心までも繋ぎたい~"を熱唱する。煌めく星や雪の結晶が降り注ぐ幻想的な映像演出の中、会場全体が心を一つにしてじっと静かに聴き入った。演奏に合わせるようにして切ない演技を見せる道化師とともに山村が花道のステージで熱く歌い上げた"僕の存在"、美しいストリングスの音色に彩られ、ラストには「ラララ」の大合唱が会場一体で沸き起こった"フレイム"とflumpoolが伝えたい真剣な想いがダイレクトに私たちの胸を打つ曲が続く。

山村は「今年震災があって、僕ら自身バンドとして歩くべき道を失いそうになりました。その時に支えてくれたのは家族や友人、そして何よりみなさんです。みなさんの存在が僕たちにとって最高の贈り物だったと思います」と語り、一人ひとりに向けて最新曲"Present"を届けてくれた。この曲でオーディエンスは最新シングルの特典として封入されていた黄色いてぬぐい「わっしょいTENUGUI」を手にしていたのだが、アリーナ一面が黄色で埋め尽くされるという、それはもうもの凄い壮観な眺めだった。そんな中、「今年1年ありがとう!これが俺たちからのプレゼント。受け取ってくれー!」という山村の合図で天井から数えきれないくらいの真っ赤な風船が一人ひとりへのプレゼントとしてアリーナに舞い降りてくるという演出が。それはflumpoolと会場のプレゼント交換のような、想いが通じ合ったような感動的な瞬間だった。

そして、ここからはノンストップで"reboot~あきらめない詩~""Touch"と続き、クライマックスに向けてアリーナの熱気は上昇気流に乗っていく。小倉の迫真のドラムソロから雪崩れ込むように始まった"ハイドレンジア"では、阪井、尼川もメインボーカルをとってオーディエンスを沸かせる。鋭利なギターリフと爆発音とともに弾けた"覚醒アイデンティティ"でアリーナが歓喜の極みに達すると、さらなる追い打ちをかけるように山村が「行くぜ、さいたまーーー!もっとこいやーーー!」と声を荒げて、"MW~Dear Mr.&Ms.ピカレスク~"へ突入。燃え上がる炎とともに血気盛んに激しいプレイを繰り広げていった。「まだまだ、行けるでしょ?」「もっともっと!」という山村の煽動に乗ってアリーナとのコール&レスポンスを展開していくと、この盛り上がりにさらなる拍車をかけるように山村は「お前らを一生離さないぞーーー!」と叫び、"星に願いを""夏Dive"とフルスロットルで駆け抜けていった。そして、本編ラストは最高の笑顔を見せたオーディエンスのために"どんな未来にも愛はある"を歌い届ける。歌う前に山村は「その表情を見たいから僕らは何があっても頑張れる」と語っていたのだが、この曲を聴いて私たちも前へ進む活力を与えられたような気がした。

アンコールでは「まだまだ届けたい想いがある!flumpoolの全部持っていけー!」という山村の叫びとともに始まった"君に届け"で会場一体の大合唱を巻き起こす。そして、満点の星で彩られたバック映像とともにコーラス隊、ダンサー、ストリングス隊、このライヴにかかわった人々が総出で"証"を演奏。フィナーレに相応しい荘厳な響きに、オーディエンスは今日のライヴの余韻に浸るようにそれぞれの想いを抱きながら静かに耳を傾けた。山村は何度も何度も「最高だったよ」「ありがとうね」と会場中に向けて挨拶し、「家族を大事にね、友達を大事に、自分を大事に、胸を張っていこうぜ!今日はどうもありがとう!」と万感の思いで叫んだ。一方的に与えるだけでは成り立たない「Present」。今日のライヴはflumpoolとオーディエンスとの間にコミュニケーションが生まれ、感動を呼んだ瞬間が何度も訪れた本当に素敵なライヴで、それぞれが来年に向かって頑張っていこうという「約束」を誓い合うようなものになったと思う。

来年3月からflumpoolは『Because...I am』というタイトルのもと全国ツアーを回ることが決定している。山村は「今年はみんなで頑張ろうという年だったと思う。でも、来年は一人ひとりが強い意志を持って生きていかなければならない年だと思う」と語っていた。その言葉どおり、メンバー4人それぞれが強く生きていき、成長していく姿を見届けることができるツアーになるに違いない。この2日間の特別なライヴを経て、さらに屈強なバンドへと飛躍したflumpoolをこれからも見届けていきたい。(阿部英理子)

セットリスト
1.Happy Xmas(War Is Over)
2.花になれ
3.Quville
4.two of us
5.Music Surfer
6.labo
7.ベガ~過去と未来の北極星~
8.Snowy Nights Serenade~心までも繋ぎたい~
9.僕の存在
10.フレイム
11.Present
12.reboot~あきらめない詩~
13.Touch
14.ハイドレンジア
15.覚醒アイデンティティ
16.MW~Dear Mr.&Ms.ピカレスク~
17.星に願いを
18.夏Dive
19.どんな未来にも愛はある
アンコール
1.君に届け
2.証
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on