TOTALFAT @ 渋谷クラブクアトロ

TOTALFAT @ 渋谷クラブクアトロ
TOTALFAT @ 渋谷クラブクアトロ
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TOTALFAT @ 渋谷クラブクアトロ
2012年に入って、ニュー・シングル『Good Bye, Good Luck』をリリースしたばかりのTOTALFAT。4年連続で1月末に行われることになる自主企画イヴェント『PUNISHER’S NIGHT 2012』開催である。Shun(Vo./B.)は「これをやると、ようやく新しい年を迎えた気持ちになる」と話していた。今回の対バンはSTOMPIN’ BIRDとMONGOL800。当然のようにチケットはソールド・アウトの渋谷クラブクアトロである。

トップ・バッターにしてベテラン・バンドの懐の深さを発揮、これは高山トレーニングか何かですか? という酸素濃度の会場を作り上げてしまったのはSTOMPIN’ BIRDだった。前のめりなパンク・サウンドを放ち続け、しかもそれが投げっ放しじゃなくガッチリとオーディエンスを掴んでいる。「ストンピンなう、とか親指動かしてないで、ココロ動かせ!」「俺たちはiPodじゃないし機械じゃないから、音楽を聴いてもらったらありがとうって言うし、お前らも機械じゃないから、周りの人にイテって顔されたらゴメンって言えよ!」という兄貴分らしいMCも飛び出して、最後にYASUはベースを抱えたまま、フロアの歓喜の渦のど真ん中まで突入していった。

2番手はモンパチ。こちらは打って変わって肩肘張らない姿勢で、だからこそいとも簡単に、次々と名曲が溢れ出る。音楽の喜びはこんなにも身近なところにあるのかという、驚きにも似た感動を味わうほどだ。しかも演奏は緩急自在のしなやかさを併せ持つ盤石ぶり。“Love Song”など最近の楽曲も良かったが、個人的にはじんわりと染み入る“神様”の名演ぶりにグッときた。自然体・等身大のロックもここまで突き詰められるとある意味ハードコアだ。キヨサクは「今度はぜひ、TOTALFATに沖縄に来てもらいたい」と話していたので、今後の展開にも期待したいところ。

さていよいよ、ハードなテクノのオープニングSEに乗って踊り狂いながらTOTALFATの面々がステージに登場だ。Jose(Vo./Left-Gt.)がいきなり歌い出すのは“Livin’ for The Future”。Shun(Vo./B.)は昂った怪鳥音ヴォイスでOIコールをリードし、満場のクラップを巻き起こしながらバンドは爆走する。日頃から先輩格バンドとの対バンには慣れているはずだが、それにしてもホスト役なのにまるでチャレンジャー精神をひしひしと受け止めさせるような、フレッシュな爆発ぶりを見せるTOTALFATである。

Kuboty(Gt./Cho.)による閃光のようなギター・フレーズが鳴り響いて、マイケル・ジョーダン(ブルズのNo.23)のゲーム・ジャージ姿のBunta(Dr./Cho.)が繰り出す高速2ビートでプレイされるのは“Highway 3”。昨年リリースしたアルバム『DAMN HERO』からのナンバーが並べ立てられてゆく。Shunがリード・ヴォーカルを務める“Across The Chance”では大らかなハード・ロックのシンガロングをモノにし、開演からものの10分というところでその欲張りな音楽性を見せつけてしまうのだった。

「『PUNISHER’S NIGHT』へようこそ! 今日は、気持ちの上では、大人気(おとなげ)は許しません! まあこれはルールじゃないけど、普段はハジけないぜって人も、ハジけてくれたら嬉しいです。そのために俺たちも、出来ることは全部やるんで。あと、ケガしないで。ケガさせないで。みんなで『PUNISHER’S NIGHT』を完結させましょう!」とShunが語り、一方Joseは「年明け早々、バカ騒ぎしようぜー!!」と叫ぶ。そして、ライブハウスとしては決して狭くないクアトロのフロア一面が、孤独を振り切って一斉にジャンプする昨年のシングル曲“Place to Try”。いよいよBuntaも上半身を露にしていて、ニュー・シングルのカップリング曲“Attack Or Die”とステージが進む。

TOTALFATを観ているといつも思う。このメンバーのキャラクターもそれぞれで、パンクもエモもハード・ロックも詰め込む欲張りな4人組が、がっちりと思いを共有し、切磋琢磨してきた舞台裏のストーリーまでも感じさせる強烈な「バンド感」は何なのだろうかと。ファストでテクニカルなギター・フレーズも良いが、僕はKubotyのアーシーでゴリッとしたハード・ロック・リフがTOTALFATの表現にもたらしているフィーリングがとても好きだ。「ついて来い!」と突っ走るだけではなく、聴く者をでかい荷台に載せてゆくような、そういう包容力がTOTALFATにはある。

「ライブハウスには何か特別な魔力があって、一人で来ても友達を誘って来ても、そこには新しい出会いがあって、大好きなバンドの歌詞だったりMCだったり、そのときの自分が必要としていた言葉を必ず貰える場所なんだ。少ないかも知れないけど、今日初めてライブハウスに来たって人いる? いるねえ。そうやって新しい場所に踏み出すのって、勉強でも仕事でも、すごく勇気が必要で。自分の中で何かを振り絞らなきゃその一歩は踏み出せないんだけど、今日はみんなに、そうやって初めてライブハウスに来たときのことを思い出してもらえたら嬉しいです」。

いつもながらに洗練された、ShunのMC。TOTALFATの面々もまた、かつてそうやってライブハウスに足を踏み入れたのだということ。かつて自分たちが受け取ってきた価値あるものを、全部やりたいのだということ。「オーディエンスが求めているもの」に対して真っすぐに向き合い続けると、ロック・バンドはこういうふうになる。シンプルで率直だが、TOTALFATは本当に多くのものを抱え込んだバンドだ。

そんな後に辿り着いたパーティ性は、当然のこと素晴らしいものになった。“Summer Frequence”から“Show Me Your Courage”。「心の中の扉が開きそうになったときに、そこにリミッターをかけるんじゃなく、涙と一緒に解き放ってください。俺たち、命をかけてそれを受け止めるんで!」と宣言するShun。彼の声もまた、少し震えている気がしたのだがどうだろう。そんなに多くのものを抱え込む覚悟というのは半端ではないが、彼は自身の体験から、バンドはそうあるべきだと考えているのだ。

胸を熱くした本編から一転、アンコールでは学ランにメガネ姿で脱力感を誘うShunである。あとから出て来たメンバー全員も学ランで、「あんまやると氣志團さんに怒られる」とJoseはボヤいていた。この後に披露された“Good Bye, Good Luck”がビデオ撮影されていたので、公開される機会を楽しみにしていて欲しい。そしてアンコール2曲目は万感のシンガロング“Good Fight & Promise You”によってフィニッシュ。今後の活動予定が続々と決定しているTOTALFATだけれど、4/6に新宿ACBで行われる結成12周年プレミアム・ワンマンも発表されているので、ぜひチェックを。(小池宏和)


TOTALFAT setlist
01:Livin' for The Future
02:Highway 3
03:Across The Chance
04:World of Glory
05:Place to Try
06:Attack Or Die
07:Life Like Movies
08:I Wanna Make You Feel Alright
09:Summer Frequence
10:Show Me Your Courage
11:Overdrive
EN-1:Good Bye, Good Luck
EN-2:Good Fight & Promise You

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