[※以下、セットリストはじめ内容に関する記載があります。ネタバレ回避希望の方は、ツアー最終日=4月6日・渋谷O-EAST公演終了後にご覧いただければ幸いです。]
■HELLYEAH(19:02開演)
01.Hellyeah
02.Matter Of Time
03.Stampede
04.Goddamn
05.Hell Of A Time
06.Nausea
07.You Wouldn’t Know
08.Alcohaulin' Ass
09.Cowboy Way
“Matter Of Time”の途中で曲を止めたり「トキオ! You wanna sing with me!」と呼びかけたり「回れ!」とフロアに大きく円を描いてみせたりして、歌というよりはアジテーションそのもののようなヴォーカリゼーションをぶん回すチャド。鋭利なリフからボトルネック奏法のコード・スライドまで駆使して楽曲に無上の切れ味を与えるグレッグ。そのテンガロン・ハットかぶった見た目以上にサザン・ロック的なタフネスとドライブ感を醸し出すトム。ヴィニーとともに今やすっかりリズムの要となったボブの極太ベース・ライン。そして、曲間ごとにドラムセットに立ち上がっては会場全体の高揚感を全身で謳歌していたヴィニー……ヴィニー&ボブのダメージ・プラン組、チャド&グレッグのマッドヴェイン組、そして元ナッシングフェイスのトム、という猛者を擁するスーパーグループながら、個人技よりは5人トータルでの破壊力を追求し、黒に黒を塗り重ねるようなシビアな楽曲世界を展開した結果、漆黒の音が漆黒のまま目映く光り出すような化学変化を生み出してしまったヘルイェー。最後に披露した“Cowboy Way”の閃光の如き衝撃が、その稀代のヘヴィ・ロック・エクスプローラーぶりを証明していた。
■ANTHRAX(20:18開演)
01.Earth On Hell
02.Fight 'Em Til You Can't
03.Caught In A Mosh
04.Antisocial
05.The Devil You Know
06.Indians
07.In The End
08.Deathrider
09.Medusa
10.Among The Living
[Encore]
11.Efilnikufesin(N.F.L.)
12.Madhouse
13.Metal Thrashing Mad
14.I'm The Man
15.I Am The Law
割れんばかりのシンガロングとクラウド・サーフの嵐を巻き起こした、昨年リリースの最新アルバム『Warship Music』の“Fight 'Em Til You Can't”。「ファッキン・ウォー・ダンス!」というジョーイのコールとともにフロアが大きな渦とカオスを描き出した“Indians”。怒濤のスラッシュ・メタル爆走ぶりでオーディエンス丸ごと狂喜乱舞させた1stアルバム『Fistful of Metal』(1984年!)の“Deathrider”……アンコールまで含め約1時間半、全曲が決定的瞬間のようなアクト。「サンキュー・フォー……ソー・ロング・ウェイティング・フォー・アス!」と「三度目の正直」を待ち詫びたファンに呼びかけていたのはスコット。いや、本当に待った甲斐があった。マーシャル6段積みのスコットのギターが冴えまくった本編最後の“Among The Living”、フロア中が拳を突き上げ「N.F.L.!」コールでメタル・レジェンドを迎撃した“Efilnikufesin(N.F.L.)”……すべての音が鳴り止んだ後、充実感に満ちた顔で一礼する5人の姿も、去り際に「明日まで待っててくれよ!」と呼びかけるスコットの声も、すべてが最高の場面だった――と心から言えるステージだった。その「明日」=ジャパン・ツアー最終公演:渋谷O-EAST公演2日目は当日券も若干販売されるようなので、詳しくは招聘元:クリエイティブマンの公式HPをご参照のほど。2度の延期&中止で二の足を踏んでいる方も、ぜひとも観ておいたほうがいい。(高橋智樹)