pic by Teppei2012年の第1回@Zepp Tokyoに続いて、約1年ぶりに行われた「LIVE BURGER SPECIAL」の第2弾はKen Yokoyama×THE BAWDIESという極上の2マンとあって、もちろんソールドアウトの大盛況! 開演前から湯気が出るほどホットなムードに包まれたSHIBUYA-AXに、まずは芸人・どぶろっくが登場。ガチハイスタ世代でありBAWDIESも大好きだという2人は緊張の面持ちながら、定番のナンバー“もしかしてだけど”を高らかに熱唱。<♪ある研究者の話では女は男の6倍エロい~! Ken Yokoyama最高~! BAWDIES最高~!>と、爆笑と共に開会を宣言し、先鋒・BAWDIESに繋ぐ。「何でもいいんです。そのとき感じたことを爆発させて欲しいと思います! アー・ユー・レディ!?」(ROY)と、冒頭の“YOU GOTTA DANCE”から最高潮のテンションでスパート! 勢い客席は大きく波打ち、「まだまだ行きましょうか!?」(ROY)と“LONELY MAN”、“HOT DOG”と畳み掛け、時にはクラウドサーフも巻き起こして、あれよあれよという間に渋谷AXは灼熱のダンスホールに。とにかくスゴい熱気!
pic by RUI HASHIMOTO(SOUND SHOOTER)「ついこの間『東北JAM』(Ken Bandも出演した、難波章浩主催フェスティバル)にも出演させていただいて。そのときに思ったんですよ、パンクもロックンロールも同じだと。感情を爆発させて、表に飛び出させたモンだと! 楽しいとか、うれしいとか、苦しいとか、怒りとか、いろんな感情があると思います。それを溜めこむんじゃなくて、表に爆発させて出す。それがパンク、そしてロックンロールだと!!」――そんなROYの熱いMCが、無条件に身体を揺さぶるグルーヴと共にPIZZAキッズのハートも焚きつけ、歓喜のモッシュピットとなってフロアを席巻。何よりステージ上の4人が心底楽しそうで、そのハッピーなヴァイブスがそのままフロアに波及し、共鳴し、どこまでも熱く大きく膨らんでいくようだった。
pic by RUI HASHIMOTO(SOUND SHOOTER)中盤、地平線が拓けていくような雄大さで観る者を包み込んだ最新シングル“THE SEVEN SEAS”に続いて、ROYが相対するパイセンへの想いをMC――「僕らが初めてライブを観に行ったのが、中2の時に行った、98年の『AIR JAM』だったんです。最後にHi-STANDARDが出てきて。衝撃的だったんですよ。お客さんはもちろん、演ってる側がめちゃめちゃ楽しそうで。これがライブなんだな、音楽スゴイな!と思って。だから、初めてライブっていうものを感じさせてくれたのがKenさんなんです」。そんなリスペクトに満ちた言葉に大きな歓声と共感が沸き(当時スポーツ刈りだったJIMはCOCOBATでダイヴしてたそう・笑)、終盤は「最後まで最高のロックンロールパーティーしようぜ!!」とTAXMANもシャウト。“KEEP ON ROCKIN’”では特大のハンドクラップが巻き起こり、「俺が見たいのは、アンタらの“SOUL”だぁ!!」(ROY)とアジりにアジって、これまた特大のコール&レスポンスを巻き起こす。ROYが何度も口にしていた「感情を曝け出すこと」――ライブのいちばんの醍醐味であり本質をこれでもかと鳴らしてステージをまっとうしたTHE BAWDIESだった。
pic by Teppei「東北ライブハウス大作戦」の旗がなびくなか、午後8時20分、遂にKen Bandが登場。「BAWDIESカッコよかったべ。ワリィね。あんなかっこいい4人のあとに、こんなショボショボな3人連れた、日本イチ面倒くさいおじさんが来ました!(笑)」とのケニースマイルから一転、「We Are Fuckin' One」と刻まれた日の丸を掲げ、それを背に羽織ると、「俺たちはクソひとつだって歌やるわ!」と烈火のごとき勢いでスパート。キッズも何かを求めるように前へと詰めかけ、Kenも――ここ1年そうしてきたように――マイクスタンドをステージ前ぎりっぎりまで持ち出して熱唱する。続く“Last Train Home”でも「Let's Sing!」としきりに呼びかけ、遂にはガバッと客席にマイクを投入。エモーションを全開にしたアクトに思わず身を乗り出してしまう。まっちゃん(松浦英治)の怪力ビートを後ろ盾にしたアンサンブルも、とにかく強烈だ。
「映画(『横山健 疾風勁草編』)、観てくれたかい?(フロア中から「観たー!」の声が)じゃあ、どんだけ面倒臭いかわかってくれたかな?(笑)」とMCでもフランクに語りかけ、「映画館で観るとやっぱ違うよね。体験はシェアできないって思うわ。だから、音楽浴びたい人はこういう場所にくればいいと思うよ――って、今のはBAWDIESのライブ中に思いついたパンチラインです!」と爆笑に沸いた次の瞬間には、再びでっかい日の丸を背負って、“This Is Your Land”でこの国を愛する気持ちを響かせる。何しろシリアスとユーモアの配合バランスが絶妙で、笑ってグッと来てジーンとしてまた笑ってと、片時も目が離せないのだ。音楽的にはもちろん、本当に人間的な魅力に溢れた人だと思う。
SNUFF(“What Kind Of Love”)とLEATHERFACE(“Not A Day Goes By”)のカヴァー2連発に激アガりだった中盤には、キッズの要望に応えて禁断のストリップも披露(「今日はそういうムードじゃないでしょ!?」と言いつつ、ノリノリで脱ぎ出す横山氏・笑)。終盤は「東北ライブハウス大作戦」の旗を持ち出して、「まだまだ支援したいし、もっともっと元気にしたいし。まだ言ってんのか?って言われるくらい続けてくわ!」と東北や復興への想いを伝え、「そのためのテーマソング――続けていこう! 繋げていこう!って曲やるわ!」と“Let The Beat Carry On”をプレイ。爆速2ビートとロマンチシズムに溢れたメロディが、この日いちばんと言えるクライマックスを立ち上げた。ラストの“Believer”でも、Jun GrayとMinamiのマイクまでフロアに投げ入れて、ありったけの想いを託してステージはフィニッシュ。THE BAWDIES同様、エモーションのすべてをさらけ出して(ついでに裸体までさらして・笑)、超絶的な一体感を生み出してみせたアクトは本当に圧巻だった。気は早いけれど、「LIVE BURGER SPECIAL」第3弾でも絶妙なブッキングを期待してます! (奥村明裕)