モーターヘッドのミッキー・ディー、レミーの葬儀や闘病の思い出について語る
2016.02.22 21:10
モーターヘッドのミッキー・ディーは昨年末に急死したレミー・キルミスターについての思い出を語っている。
ミッキーはスウェーデンのスウェーデン・ロック誌の取材に応えてさまざまなレミーの思い出について語っているが、レミーの葬儀については次のように振り返っている。
「レミーの空っぽになったブーツが飾られているのを見た時が一番しんどかったな。祭壇の真ん中には写真が何点かとレミーの帽子が置かれてたけど、あのブーツが空っぽになってるのがたまらなかったよ。なんにも入ってなくてさ。レミーがあのブーツをどれだけ気に入ってたのかよく知ってるからね。いつもあれ履いてたんだから。あのブーツを履いてないと落ち着けなかったんだよね。それが空っぽになっちゃって、その時初めて実感としてきたんだよ……だから、眺めてるのさえしんどかったね。まあ、もちろん、悼辞を聞いてるのも辛かったけどね。たくさんの人たちが泣き出しちゃってたから。デイヴ(・グロール)も泣かないようにするだけで辛そうだったよ。フィル(・キャンベル、モーターヘッドのギタリスト)は来られなくてよかったよ。いたら、とてもまともにしてられなかったと思う(フィルはこれ以前に入院していて、長時間の飛行機での移動を医師から止められて駆けつけられなかった)」
さらに、彼は死の直前も覚醒剤などを使っていたのかと訊かれてミッキーは次のように答えている。
「ここでレミーがなにをやっててなにをやってなかったのかってあんまり話す気にはならないんだけど。ただ、俺にいえるのは、レミーはしばらく前に一切合財やめたってことで、っていうのも(2013年に)体調を崩した時に本人もものすごくショックを受けてたからなんだ。まあ、俺にわかってるのは俺はレミーにはこういわれたってことだよ。『おまえが薬に手を出したらクビだからな』ってね(笑)。俺は薬には手を出したことないんだ。俺はいつもビールを飲むだけだったんだけど、レミーは俺が薬に手を出さないように気を使ってくれてたんだよ。俺までやってたら、全部めちゃくちゃになっちゃうから」
さらにレミーの糖尿との闘病にも意見していたことを次のように振り返っている。
「何年か前に俺がレミーの楽屋の普通のコーラをダイエット・コーラやダイエット・ペプシに変えさせたんだよ。普通のコーラはレミーに与えないよう、スタッフに俺から指示したんだ。そうやって俺が口を挟んでくると本当にうんざりしてるようだったけど、ほかにどうしろっていうのさ? あの頃のレミーは糖尿について本当に治す気がなくて、それが……俺は同じことを自分の父親でも経験してるから、そういうことがどれだけ重要かはよく知ってたんだ。それで『そのうちあんたの両脚も(壊死を起こして)切り落とすことになって、車椅子を使うことになるはずだよ』っていってやったんだ」
また、ミッキーとフィル、そして80年代までギターとヴォーカルを務めたエディ・クラークとともにレミーの追悼ライヴが企画されているという噂については次のように語っている。
「うん、なんかそういう催しについては確実に話し合われてるんだけど、いつどこでやるかはまだなんにも決まってないんだ。とにかく、いったんすべてが落ち着くことが先決で、まだそういうことをやるのにふさわしいタイミングじゃないんだよ。個人的にはそういう需要が高まってくるまで待ちたいと思うんだ。俺たちのファンはたとえば、ここ40年間ずっとハンバーガーを食ってきたようなもんで、レミーが亡くなったその先1年はまだハンバーガーは食いたくないかもってことなんだ。また、あのバーガーが食べたくてしようがなくなってきたって思えた時までね。自分たちの音楽について俺はそう思ってるんだよ。これまで本当にやり過ぎなくらいツアーをやってきちゃったから『くっそー、またあのイケてるモーターヘッドの曲をライヴ・ステージで聴きたいな』ってみんなが思ってくれるまでにはちょっと時間が必要なんじゃないかってね。だから、個人的にはロニー・ジェイムス・ディオが亡くなって半年後にディオ・ディサイプルズ(ディオの最終ラインナップにジューダス・プリーストのティム・オーウェンズが参加)がツアーに出たのはあまりよくなかったんじゃないかなと思うんだ。やっぱりいろんな理由から、あれはあんまりちゃんとしたものにならなかったと思うんだよ。俺はまず最初に、モーターヘッドがまた観たいというニーズが先にこないとだめだと思うんだ。そうしたら、俺とフィルと、それとエディも加えて、さらにモーターヘッド好きな超ビッグ・スターも何人か巻き込んでなんかやれるかもしれないよね。そういうことならなんかすごいこともやれると思うんだけど、でも、いつどこでやるかってことをしっかり見極める必要はあるんだよ」
なお、モーターヘッドはレミーの訃報の翌日に解散が発表されている。