レディオヘッド、遂にイスラエル公演決行。泥沼化した騒動の経緯をおさらい
2017.07.20 14:00
直前まで反対の声が止むことはなく、様々な立場の間で議論が行われていたレディオヘッドのテルアビブ公演だが、バンドは現地時間19日に予定通りライブを決行、トム・ヨークはステージ上で「色々なことを言われてきたけど、結果的に、僕たちは演奏をした」と発言したという。
ことの発端は今年の春、イスラエルでのアーティスト活動・文化活動のボイコットを目的とした団体「アーティスツ・フォー・パレスチナ UK」を通してレディオヘッドに宛てられた、テルアビブ公演の中止を要請する公開書簡だった。
中止を要請していた主なメンバーとしては、ロジャー・ウォーターズ、サーストン・ムーア、ケン・ローチ等が挙げられる。
団体はこの公開書簡の中で「あなたたちがパレスチナ側の活動家からの接触をすでに受けているのは承知しています。彼らはあなたたちにイスラエルへの文化的なボイコットを行うように要請したところ、あなたたちはそれを断ったといいます」と始め、「あなたたちはチベットの自由と自治のためには支援活動を行うのに、外国に支配されている別の人々のために行動を起こしてほしいという要請をどうして断ってしまうのか、わたしたちには解せません」との見方を示し公演の中止を要請していた。
トム・ヨークはこれに対し、「そもそも自分は文化的なボイコットや制裁には反対」との意見を提示し、「パレスチナ人やイスラエル人の友達がいるし、奥さんはアラブ系ユダヤ人」だというジョニー・グリーンウッドが傷ついている、「仮にも自分が尊敬しているようなアーティストから、これだけ活動してきてもぼくたちにはまともなモラルを持ち合わせた判断ができないって決めつけられてる」など、中止要請に対する返答を「ローリングストーン」誌に語った。
中止要請に応じないレディオヘッドに対する批判の声はその後も止むことはなく、和解を果たせないまま19日(現地時間)のテルアビブ公演を迎えることとなったのだ。
このテルアビブ公演は2017年最後の公演であり、イスラエルという国自体もレディオヘッドにとっては“Creep”のヒットのきっかけとなった国だ。結果的には2006年から数えて最も多い楽曲数を披露したようで、ライブそのものは成功を収めている。
なお、テルアビブ公演の決行に関して、中止要請側からの反応はまだ見られていない。
セットリストは以下の通り。
Daydreaming
Lucky
Ful Stop
Airbag
15 Step
Myxomatosis
All I Need
Pyramid Song
Everything in Its Right Place
Let Down
Bloom
Identikit
Weird Fishes/Arpeggi
The Numbers
2 + 2 = 5
Bodysnatchers
Idioteque
Encore:
No Surprises
Nude
Like Spinning Plates
Lotus Flower
Paranoid Android
Reckoner
Encore 2:
Creep
The Bends
There There
Karma Police
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