モリッシーが、15年以上ぶりとなるカナダでのツアー開催を発表した。
モリッシーはアザラシ猟を行うカナダの政策を痛烈に批判しており、その観点からカナダでの公演を一切行わないと2006年に宣言。
その後2014年に再びカナダのアザラシ猟に言及し、アザラシの赤ちゃんが高圧ライフルで射殺されていることに対し、「ゲイル・シェイ(当時の水産大臣)自身はこんな死に方を望むのだろうか。高圧ライフルで射殺されたとしたら、ゲイル・シェイは嬉しくなるのだろうか?」などとコメント。さらにはカナダ自体が「残念な国」と以下のようにも述べていた。
国際的に見て、カナダの残念な印象というのは、すべてアザラシ猟のせいなんだ。アザラシ猟というのは、欲得のことだけを考えていて野蛮で、2014年にこんな無知を見せつけられてどうしたものかと呆れてしまうようなことだからね。
まともな道理で考えれば、毛皮なんかを着るのは本当に教養の浅い人たちだけだし、しかもカナダ政府は動物については経済的な動機からしかものを考えないから、今ではアザラシの赤ちゃんをおぞましいむごたらしさでもって殺しているイメージがカナダの主なグローバル・イメージになってるんだよ。
この恒例の虐殺がやめられない限り、カナダそのものが残念ながら、時事的に死に体も同然だね。
しかしモリッシーは今回、2006年の宣言を覆しカナダでの7都市8公演を発表。
開催の理由については、自身の公式ブログ「Morrissey Central」で以下のように説明されている。
15年に及ぶ攻撃的で野蛮な仔アザラシ猟への反対運動を経てカナダで公演を行うことを決意した理由は、この問題に対する私の姿勢が結局のところ無意味であり、誰を助けることもできていなかったからだ。
私の声は、非情にも振りかざされる鋭く尖った斧が仔アザラシたちの脳天を粉々にする音にかき消されてしまっていた。
今回私がカナダを訪れ、公演を行う都市それぞれで動物愛護団体への大きな寄付を行うことで、自分が役に立つことができるだろうと思ったのだ。
そして現在のカナダが文化的には多様性を持っているものの、「その寛容性がアザラシの家族に対しては活かされていない」と指摘。自身のカナダでの公演が成功するかどうかは分からないが、カナダとの「友情を再構築することを心から強く望んでいる」と綴っている。
モリッシーのカナダ・ツアーは現地時間4月15日のバンクーバー公演を皮切りに、4月29日のモントリオール公演まで8公演行われる。