現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』9月号表紙巻頭にSUPER BEAVERが登場!愛って潔白なものじゃなきゃいけないと思ってた気がするんです。
でも等価交換でも、無償でも、偽善でも別によくねえかって。
大事なのは結果救われるか救われないかだから
4人が歌い鳴らす、揺るぎない愛の正体
SUPER BEAVERの音楽が今求められるのはなぜか?
「バンド」「自分」「仲間」「リスナー」「今」、5つのキーワードインタビューと、メンバーへの思いを綴ったメッセージの2本立てで、バンドの核心に迫る!
インタビュー=小川智宏 撮影=Maciej Kucia
「満を持して」とかいうとファンにもメンバーたちにも「おせえよ」と怒られそうだが、気持ちとしてはまさに満を持しての、SUPER BEAVER初の表紙巻頭だ。
バンドが始まったのが2005年の春。彼らは再来年で結成20周年を迎えることになる。その20年弱の物語は、控えめに言って波乱万丈だった。その長い長い紆余曲折についてはファンであれば当然知っていることと思うし、彼ら自身もいろいろなところで語ったり書いたりしているので、ここで繰り返すことはしない。ただひとつだけ言えることは、振り返ってみればその道のりはどこまでもまっすぐにつながった一本道だったということだ。歌うことはそのときどきで当然変わってきたし、状況が彼らを変えていった部分ももちろんある。だがそれを踏まえてもなお、SUPER BEAVERの本質は驚くほどに変わらない。それどころか、最近の楽曲を聴いているとその本質はより純化され、確信に満ちたものになりつつあると感じる。彼らはずっと正直に、真っ当に、愚直に、ロックバンドをやり続けてきた。そうやって磨き続けてきたものがどんどん輝きを増し、その輝きが多くの人を惹きつけ、そうやって集まった人たちと交わり新たな手応えを感じる中で、彼らはますます正直に自分たちの今と未来を歌い始めている。そんな幸福なサイクルの真っ只中にいる今だからこそ、「満を持して」と言いたくなるのだ。
SUPER BEAVERがその正直で真っ当で愚直なやり方で歌い続けてきたものとは何か、というのが今回の表紙巻頭インタビューのテーマだ。それを我々は「愛」と呼びたいと思う。他者と向き合い、自分たちと向き合い、音と向き合い、言葉と向き合い……そうやってすべてに対峙していくような彼らのありかたを言い表すのに、それ以上適切な言葉はないはずだ。改めて、SUPER BEAVERは愛を歌い続けるバンドである。ただしそれは単に惚れた腫れたの話ではない。人間らしくいること、自分に正直でいること、変わっていくことを受け入れること、すべてをひっくるめて今を生きているということを全身全霊で肯定していくという意味の「愛」を歌うバンドである。
そんなSUPER BEAVERのSUPER BEAVERたるゆえんを、5つのキーワードで明らかにしていく。4人は「今日は愛について語り合いたいと思います」という突拍子もないこちらの宣言にも、ひたすら思考を巡らし、言葉を探しながら応えてくれた。じっくり読んでほしい。そして今まで以上に彼らとその音楽を愛し、逆に愛されてもらいたいと思う。(小川智宏)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年9月号より抜粋)
『ROCKIN'ON JAPAN』9月号のご購入はこちら
他ラインナップはこちら