昨年11月にリリースした『Candle』は、マルシィが表現し続ける「失って初めて気づく大切さ」と「だからこそ今、そばにいる人との時間を大切にしたい」という思いが、まっすぐに多くの人の心に届いたアルバムだった。それを引っ提げての、自身最大規模となった全国ツアー「マルシィ one man live tour 2024 “Candle”」が3月29日、東京国際フォーラム ホールAでファイナルを迎え、そのライブの最後には、この秋に行われる、初の全国Zeppツアーもアナウンスされた。今後ますます飛躍を遂げるであろうマルシィだからこそ、今ここで大成功に終わったツアーを振り返り、バンドの現在地をしっかりと捉えておきたい。マルシィはライブハウスで地道な活動を続けながら、良い曲を届けるために真摯に音楽に向き合い続けてきたバンドである。今回は、結成当初のエピソードも含め、バンドはいかにして成長を遂げたのか、そして、彼らの「良曲」に宿る本質について、じっくりインタビューでひもといていきたいと思う。3人のポジティブな言葉からはネクストステージへの期待がさらに高まることだろう。歌詞はいつも心の奥まで潜って書いているけれど、あとから振り返ると、そこで綴った痛みも俯瞰できるようになる。僕にとってそれは「救い」なのかも
インタビュー=杉浦美恵 撮影=富永よしえ
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年6月号より抜粋)
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