ずっと真夜中でいいのに。が“秒針を噛む”で音楽シーンに登場したのは2018年6月。
その翌年、令和という新しい時代が始まって、当たり前だと思っていた価値観が意外なくらいあっけなく塗り替わっていくのと、ずっと真夜中でいいのに。がコンスタントにリリースとライブを重ねながらディスコミュニケーションから始まるシン・コミュニケーションを深化させていくのが同期しているように感じていた。
この2024年10月に、ずっと真夜中でいいのに。が放つミニアルバム『虚仮の一念海馬に託す』は、遂にここまでその息遣いを解像度高く感じられるように、私たちとずっと真夜中でいいのに。が接近したのかと驚かされる作品。
変幻自在を極めるほどにポップになる音楽性、痛いところをえぐるほどに血液みたいな温もりが溢れ出す歌声、意味づけを拒否しながら真実に近づいていく言葉──それらが融合して生まれた全く新しい時代のポップ・ミュージック、その最新形6曲の驚くべき姿を徹底解説していく。(以下、本誌記事に続く)
文=小池宏和
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年12月号より抜粋)
『ROCKIN'ON JAPAN』12月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。