スティーヴ・ヴァン・ザントが語る『明日なき暴走』の意外な秘話
2010.05.01 16:00
ブルース・スプリングスティーンの古くからの盟友であり、現在はブルースのEストリート・バンドのメンバーでもあるスティーヴ・ヴァン・ザントは、ブルースの最高傑作ともいわれる『明日なき暴走』について、その制作中にはクソみたいな作品だと思っていたと語っている。
NMEから刊行する『Bruce Springsteen - The Ultimate Music Guide』の取材を受けたスティーヴは75年のこの作品とは、同じニュージャージーで活躍するバンド仲間だったブルースからよくしてみせろとそそのかされて関わることになったと語っている。
「『明日なき暴走』のなかで俺が手掛けたのは“凍てついた十番街”くらいのもんだよ」とスティーヴは説明する。「たまたまスタジオへ遊びに行ってぶらぶらしてたら、ブルースにアルバムについて『どう思う?』って訊かれたんだよ。それで『これじゃ、クソだね』って答えたんだ。そうしたらブルースが『クソだと思うくらいだったら、直してみろよ!』って言ってきたんだよね」。
「そういうわけで俺は“凍てついた十番街”を直したんだよ」と語るスティーヴはそのまま、アルバム・リリース直前にEストリート・バンドに加わることになった。
「だから、リリース前にニューヨークのボトムラインで行われたライブじゃ、詰め掛けてた客は基本的にEストリート・バンドを笑い飛ばしにきてたんだよね。それがおかしなことになっちゃってさ。俺たちの演奏にみんなぶっ飛んじゃったんだよ」。
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