ストーン・テンプル・パイロッツ、スコットのクビは選択の余地がなかったと語る

ストーン・テンプル・パイロッツ、スコットのクビは選択の余地がなかったと語る

リンキン・パークのチェスター・ベニントンを新ヴォーカルに迎え、新作EP『High Rise』を10月8日にリリースするストーン・テンプル・パイロッツだが、ベースのロバート・ディレオは前代のヴォーカルでオリジナル・メンバーのスコット・ウェイランドについてクビにするしか「他に選択はなかった」と語っている。

ストーン・テンプル・パイロッツでは昨年から1992年のファースト『コア』の全曲ライヴの予定が持ち上がったものの、その方針が二転三転したことでバンド内の対立を生んだといわれている。その後、バンドの『コア』全曲ライヴは中止となったが、スコットは突如ソロとして『コア』の全曲ライヴを行うことを発表、バンドは『コア』の演奏の中止をスコットに要求し、バンドとスコットの対立が深まった。その後、スコットがライヴを決行したため、今年の2月にバンドはスコットの追放を一方的に発表した。

その後、バンドはスコットに対する訴訟を起こし、その中でスコットに対してソロ活動の宣伝のためストーン・テンプル・パイロッツの名前を使うことやライヴでストーン・テンプル・パイロッツの楽曲を演奏するのをやめるように訴えている。また、この訴えでバンドはスコットを追放した理由としてスコットの薬物依存の弊害や仕事にきちんとこないことなどを挙げているが、スコットもバンドへの反訴を起こして、自分抜きでストーン・テンプル・パイロッツを名乗ることはできないはずだと訴えている。

そして、ここにきてロバートは『ローリング・ストーン』誌にスコットをクビにしたことについて次のように語っている。

「バンドの顔だった人物との関係を終わりにするというのはすごく難しい決断だったよ。ある種のバンドにはいろいろ歴史があるものだし、その歩みもまちまちなもんだけど、どれも最後には似たようなことになるんだよね。でも、それを実際にやるのはすごく難しい決断だったよ。これ以上に大事なものはないはずだから。でも、俺たちには実際、もう他に選択は残されていなかったんだよ」

さらに、ロバートは「裁判との絡みがあるから」話せないこともいろいろあるとしながらも、自身とバンドのメンバーは皆「これまでスコットのよかれを一番考えてきたし、親友として接してきたつもりだったけど、スコットは俺たちのことを友達とも考えようとしなかった」と語っていて、「俺はとにかく音楽をやって、それを楽しみたいんだよ」と力説している。

その一方でチェスターは次のように語っている。
「俺はみんながこうと決めた決断を尊重しているよ。それにそういう話を実際にするというのがどれだけ大変なことかも、俺にはよくわかるから。でもね、それと同時に驚くようなことじゃないよね。このバンドを知っている人間なら、誰でもどうしてこういう判断が下されたのかもわかるはずだよ。それにこのバンドはね、必ずしも俺がどうしてもやらなきゃならないことではないんだよね。俺にはもうしっかりしたキャリアがあるし、俺が深く愛している仲間たちもいるし、その仲間たちとですごい音楽を作ってるわけだからね」

「だから、このバンドをやる必要は俺にはないんだけど、だけど、このバンドがみんなの生活そのものなんだということは俺にもよくわかるわけだよ。このバンドを通して、みんなは生活して請求書も払うわけだし、子供たちを学校にも通わせるわけだし、この先一生やっていきたい生活がこのバンドだということなんだ。だから、それに加わったということは、俺も100パーセント、このバンドに関わっているということなんだね」

なお、EP『High Rise』にはチェスターが加わって初めて公開されたトラック"Out of Time"も収録されている。

『High Rise』のトラックリストは以下の通り:
'Out of Time'
'Black Heart'
'Same On The Inside'
'Cry Cry'
'Tomorrow'

(c) NME.COM / IPC Media 2013
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