元キッスのエース・フレーリー、ロックの殿堂入りについての喜びを語る
2013.12.21 18:00
先頃ロックンロール名誉の殿堂入りが明らかになったキッスだが、02年に脱退してからソロ活動を続けているオリジナル・メンバーのエース・フレーリーがその喜びを『ローリング・ストーン』誌に語っている。
エースはアシスタントから殿堂入りの知らせを受けたのち興奮して眠れなくなったと打ち明けていて、特に候補に挙がっている他のアーティストを考えると驚いたと語っている。
また、キッスのポール・スタンレーなどはこれまで自分たちが殿堂入りしてこなかったことについて選考が偏向しているとも批判してきたが、エースは「俺たちならどっかで認められなきゃおかしいと感じてきてたし、その時がようやくきたんだよね」と語っている。また、殿堂入りの資格を得てから10年以上選考から洩れていたことについて腹立たしく思ったりしなかったのかと訊かれて次のように語っている。
「なんかいつも考えてるようなことじゃなかったからな。はっきり言って他にもいろいろ考えていかなきゃならない重要なことがたくさんあるからね。ただ、ようやく俺たちも認められたんだなっていうそういう心境になれたことが俺はただ嬉しいよ。みんなにまた会って盛大に祝うのを楽しみにしてるよ」
また、エースは殿堂入り式典のパフォーマンスで、やはりオリジナル・メンバーで現在は脱退しているピーター・クリスとともにポールやジーン・シモンズと合流してオリジナル・メンバーとして演奏することについてはぜひやってみたいと語っているが、その後のオリジナル・メンバーとしての再結成やツアーについては現時点では自分のソロ活動もあるので考えられないと釘を刺している。
さらにジーンが折に触れてエースのことをこきおろしたりすることについては次のように理解を示している。
「今はバンドに俺の代行役がバンドにいるにもかかわらず、ファンにはいつも『オリジナル・ギタリストを戻したらどうなんだよ。やっぱりエースがナンバー・ワンだぜ』みたいなことをなにかと言われているわけだからね、そりゃあ腹立たしくもなってくるよ。常にそういうことを言われてるんだからね。ジーンとポールにはなかなかじれったいもんだと思うよ」
「俺とジーンの間には特になんのわだかまりもないから。毎年何度かメールのやりとりもしてるし、ポールとは仕事のこと以外では話してないけど、ずっと連絡は取り合ってるからね。だから、俺たちの間に険悪なところはまったくないんだよ。連中は連中の進みたい方向に行って、俺はまた別の道を目指したということだよね。そのことが誰よりもファンにとってはやっぱり苛立たしく思えるということなんだよ」
さらに4月の式典について次のように語っている。
「すごくテンション上がるだろうけどね、すごくいいものになるはずだよ。悪い空気は予想できないし。なんかわだかまりがあるとは俺は思わない。俺とピーターとポールとジーン、キッスはこの4人で始めて、国際的に成功もさせたんだよ。70年代の終わり頃にはいくつかの投票で世界最強のロック・バンドに選ばれたこともあったはずだよ。俺たちは大半人たちが夢見るようなことをこの手で摑んだんだよ。それは決して忘れないことだし、誰にも俺から奪えないことなんだ」
なお、先頃エースのニューヨークの邸宅が火災に遭ったことが報じられたが、この邸宅はエースがスタジオとして使っていた建物で、嵐で倒木が家を破壊し、その時に電気系統がショートして火災に至ったとエースは説明している。機材などはすべて西海岸に移動させていたので建物以外の被害はなかったとエースは語っている。
キッスは1974年にデビュー。オリジナル・ドラマーのピーターが1980年に脱退し、82年にエースも脱退した。その後96年からオリジナル・ラインナップによる再結成となり、ツアーも行われたが、ピーターが01年に再び脱退し、エースも02年に脱退した。