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初日2番手に登場するのは、『JAPAN JAM』初出演となるThe Mirrazだ。のっけから火花を散らすようなコンビネーションで前のめりなイントロを叩き出し、ハットにサングラス、ジャケット姿の畠山承平(Vo・G)が矢継ぎ早に言葉を紡ぐ。パフォーマンスへと向かうその意志を燃え盛らせるのは“スーパーフレア”だ。急展開アンサンブルとじっくりの音響を交互に放ち、4人のサウンドが熱を帯びる。「どうも、THE BAWDIESです! 違いますよ? スーツ着てますけど違います。The Mirrazです」と、涼しい顔をしてジョークを放つ余裕を見せる畠山だが、そこから中島ケイゾー(B)による極太ベースに導かれて繰り出されるのは不穏なムードがグルーヴする“CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい”、そして吐き捨てるようなコーラスが伝播してオーディエンスを跳ね上がらせる“気持ち悪りぃ”と、毒っ気のあるロックを繰り出してゆく。






ここであらためて挨拶しつつ、「最後のエレカシまですっ飛ばして行くんで、よろしくお願いします!」と語る畠山。その言葉どおりに佐藤真彦(G)のカッティングが威勢良く跳ね上がる“check it out! check it out! check it out! check it out!”、そして狂おしい歌とエモーショナルなギター・プレイが並走する“ラストナンバー”と畳み掛ける。5/21にリリースされるニュー・シングル“この惑星のすべて”は、新谷元輝(Dr)加入後の初音源でもあり、畠山のプライヴェートな視界とロマンチストぶりが、今のThe Mirrazサウンドに目一杯スケール感を押し広げられる名曲だ。終盤戦はフロアのダンスを賑々しく加熱する“真夏の屯田兵 ~yeah! yeah! yeah!~”、ザクザクのギター・リフと膨大な言葉数で触れる者を追い回すかのような“僕はスーパーマン”と繋ぎ、「『JAPAN JAM』、楽しかったよー。また来年も呼んでね」と告げると、とめどなく溢れ出る諦観と執念を混ぜ込んで何度でも転がす“僕らは”に向かってゆく。キャリアを重ねるほどに入り組んだ感情へと踏み込みながら、それをタイトかつスタイリッシュなロックとして放つThe Mirrazはやはり最高だ。(小池宏和)




3日間の熱演を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!