THE ROYAL CONCEPTの巻き起こした熱気をさらに高次元の歓喜へと導いてみせたのが、3月の日本武道館ワンマン・ライヴで[Champagne]から改名宣言したばかりの[Alexandros]! SEの“Burger Queen”を4人のしなやかなバンド・アンサンブルで受け継いでみせたところで、そのまま最新シングル・ナンバー“Run Away”へ。パワフルなリズムと川上洋平(Vo・G)のファルセットが絡み合いながら、フロアを爽快な多幸感で満たしてみせる。息つく間もなく轟いた庄村聡泰のタイトなドラムに、川上の鋭利なカッティングが絡み合って、“Waitress, Waitress!”の妖しくもスリリングなロックンロールの極致へとさらに勢いよく駆け出していく。
「[Alexandros]と申します! 新木場! もっと自由に踊り狂っちゃってください!」という川上の高らかなコールから“Kick&Spin”へ突入。狂騒と高揚そのもののダンス・ビート。ロックンロールの化身のようにハンドマイクで歌い上げる川上。切れ味鋭いサウンドで熱気を切り裂く白井眞輝のギター。荒れ狂う衝動と凛とした闘志がデッドヒートを繰り広げるような庄村&磯部寛之(B・Cho)の熾烈なビート……アルバム『Me No Do Karate.』後の長いツアーを通してさらに磨き抜かれたその音世界が、STUDIO COASTの空間に次々と解き放たれていく。「JAPAN JAM、初出演させていただいてます! 我々はまさにこの新木場コーストでよく洋楽の前座をするんですけど、その時とは違う温かい感じで。こんなに(洋楽・邦楽の)混ざりのいいイベントは初めてです」という川上の言葉に、拍手喝采が湧き起こる。
「今日は自分たちにとっても特別な曲を用意してきました!」という川上の言葉に続けて、“Supercalifragilisticexpialidocious”からアンダーワールド“Born Slippy”、オアシス“Champagne Supernova”までカバー曲をメドレーで連射! さらに“city”でロックンロールの真芯を撃ち抜いた後、ラストを飾ったのは“Starrrrrrr”! 聴く者すべての情熱を抱き締めるようなメロディが、燃え盛るビートとともにフロアを目映く照らし出していく。初登場の精鋭がJAPAN JAMにまたひとつ新たなページを刻みつけた、至上の名場面だった。すべての音が止み、去り際に「最後まで楽しもうぜJAPAN JAM!」と叫び上げた川上の言葉が、何よりの祝砲として熱く響いた。(高橋智樹)
3日間の熱演を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!