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『JAPAN JAM 2014』は、好天に恵まれ2日目も快調に幕開けだ。ロッキング・オンを代表して山崎洋一郎が前説に登場し、新たにクリエイティブマンとタッグを組む、洋楽・邦楽アーティストの共演イヴェントとして繰り広げられる今年の『JAPAN JAM』の趣旨を説明すると、いよいよこの日のトップ・バッターを務めるチャイルドフッドを呼び込むのだった。英国はノッティンガム出身、現在はロンドンを拠点に活動している4ピース・バンドである。





姿を見せるなり、豊かなカーリー・ヘアが目を引くフロントマンのベン(Vo・G)が「コニチハー!」と景気よく挨拶すると、“SEMESTER”からサポートのキーボード奏者を含めた5人編成のパフォーマンスを切り出す。たなびくギター・サウンドが折り重なるようなサウンドスケープを描き、“YOU COULD BE DIFFERENT”にかけてその甘い陶酔感を誘うサイケ・サウンドが深みを増して行った。シングル曲“BLUE VELVET”では、そのリズムがドタバタと危うさを覗かせる一幕もあって若さを感じさせるものの、抜けの良い掛け声を交えながらエモーショナルなヴォーカルを繰り広げるベンの活躍を中心に、バンドとしての個性をしっかりと構築しようとする姿勢が伝わる。“CHILIAD”を経て、UKネオ・サイケの疾走感とパンチの効いたギター・サウンドの広がりを現在に描き出す“PINBALLS”へ。そのメロディとバンド・サウンドによって、魅惑的/堕落的な心象を伝える“FALLS AWAY”も素晴らしかった。一組目からスタジオコーストに詰めかけ、ステージを見守っては手拍子を打ち鳴らすオーディエンスにベンが「キミタチ、サイコー!!」と言葉を投げ掛けると、モデルとしても活躍しているレオ(G)のギター・フレーズが鮮やかに浮かび上がる“BOND GIRLS”、そして最終ナンバー“SOLEMN SKIES”にかけて、右肩上がりに熱くロックなバンドの佇まいを晒してゆくチャイルドフッドであった。まだデビュー・フル・アルバムすら発表されてはいないが、そのフレッシュさと伸び盛りの実力を見せつけるステージであった。今後の活躍に期待したい。(小池宏和)



3日間の熱演を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!