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「エブリバディ……遂に『JAPAN JAM』がやってきたなエブリバディ。いい日になったなあ、今日はよう!」と、“俺の道”のイントロの中で、オーディエンス一人一人の胸元ど真ん中に届くような言葉を投げ掛ける宮本浩次(Vo)。『JAPAN JAM 2014』初日の最後を飾ってくれるアクトは、3年ぶりの出演を果たすエレファントカシマシだ。自らもギターを手に取ると、重厚なサウンドを掻い潜ってエモーショナルな歌を届け、フロアには誰からともなく拳や掌が揺れる“悲しみの果て”へ。そこから宮本はジャケットを脱ぎ捨ててアップテンポに転がるロックンロール“星の砂”と、遠慮なくヒートアップするパフォーマンスがなんとも清々しい。「こうなったらなんでもいいから、楽しもうぜ!」と披露されるのは、大勢のオーディエンスまとめて運ぶ“風に吹かれて”である。ザ・ロイヤル・コンセプトのメンバーについて「こーんなに背が高くて」とご機嫌に笑いも振り撒くものの、手放しで心ごと乗っかりたくなるようなエレカシの、男臭く、強がりも含めて信頼感抜群なロックは、今日も真剣そのものだ。






 “笑顔の未来へ”を経て宮本が彼以外の4人(今回はサポート・ギタリストのヒラマミキオを含む5ピース編成だ)をささっと紹介すると、続いては頑強なアンサンブルがそのままぐっと浮上してゆくような“今宵の月のように”。「音楽で新曲が出来るってのは本当に嬉しいことなんですけど、他に楽しいこととかないもんで。なんとかやっていこうって歌です」と紹介されたのは、6/11にリリース予定の新曲(着うたは既に配信中)の新曲“Destiny”だ。石くんこと石森敏行(G)のドライヴ感に満ちたギター・フレーズが歌と並走し、どこまでも開放的に響くサビも素晴らしいナンバーだ。そしてゴリッゴリのロックで届ける“ズレてる方がいい”。“俺たちの明日”の温かいヴァイブも、“ガストロンジャー”の煮え滾る思いも、血の通った歌であるという点で等しく重要だ。高緑成治のベースを取り上げて引き倒す宮本は最後に、今日もその出発点から1ミリもぶれることのない“ファイティングマン”を叩き付け、真紅の照明に染まってステージを締め括るのだった。満場のアンコールに応えると、息を切らしながら“花男”を披露し、「エレファントカシマシの皆さんでした、ありがとうございました~!」とメンバーを送り出した後には、ソロ弾き語りの“涙”まで熱唱を続けてしまう。真に大サーヴィスと言えるステージであった。(小池宏和)



3日間の熱演を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!