昨晩のBUMP OF CHICKEN、東京ドームについて


BUMP OF CHICKENが長年、シーンのなかで破格のパワーを持ち続けている理由は、その音楽の親密さにある。
しかもその親密さは「この音楽を共に感じ合えている今、僕らは何も飾ることなく生きている喜びを素直に分かち合えている」という刹那的な親密さだ。
だからバンプの楽曲は、実に多くの人にとってかけがえのない親友として特別な存在であり続けている。
そして、そのグルーヴとアンサンブルの「かけがえのなさ」は幼稚園からの幼馴染みのままバンドを組んだこの4人の演奏でなければ宿らない。

一方でバンプは、その音楽の親密さと表裏一体なのだが、他の誰も立ちいることのできないような4人の世界を持っているバンドでもあった。
ファンにとっては、そんな触れられない世界を外側から見つめることも幸せなことなのだが――しかし、アルバム『RAY』を作り上げてのツアー「WILLPOLIS 2014」で、そんなバンプに異変が起きた。
このツアーのライブ空間はまるで、立ち入れないはずだった幼馴染みの4人の世界の内側であり、そこで僕らはもっともっとBUMP OF CHICKENの音楽の本当の楽しさ、温かさ、美しさを感じることができたのだ。

その剥き出しの親密さが全く薄れることなくスケールアップした東京ドームのライブは、ひたすら幸せな時間の連続であり、本日配信リリースにもなる新曲"You were here"は、ライブにおけるあの「刹那の親密さ」の温もりをいつでも思い出させてくれるような、今のバンプを象徴する1曲だ。(古河)
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