“なんでやねんねん”は、実は凄い曲

“なんでやねんねん”は、実は凄い曲

12月16日にリリースされる、話題の浜田ばみゅばみゅの正式デビュー曲だが、これはただ面白いだけでなく、聴けば聴くほど凄さが滲み出てくる曲。
中田ヤスタカ(CAPSULE)が、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』の企画を見て、プロデュースを申し出たものなわけだが、きゃりーぱみゅぱみゅの音楽という、自分がプロデューサーとして、言わばひとつのジャンルとして確立したもののセルフパロディ化の仕方が徹底的に客観的なところが凄い。
かと言って批評的にパロディ化するのではなくて、きゃりーぱみゅぱみゅの音楽をかなり大胆に解体/再構築した先にさらにわかりやすい何が見えるか、「かわいい」を超越した何が浮かび上がるかを、実はかなり真面目に探求しているのが楽曲全体から感じられるのである。

多くの人がすぐにサビを日常的に口ずさみ始めたのは序の口で、自分は最近《怖い顔して/現場入りする》のフレーズを身の回りのあるあるネタで替え歌し始めたし(みんなもやってない?)、恐らく浜ちゃん自身も今は歌詞カードなしでは歌えないであろう《ねんねん でや なんなん》部分を歌いこなすゲーム感など、しばらく尾を引く要素もある。

恐らく中田ヤスタカは、『ガキの使い』を見て、自分が浜田ばみゅばみゅをプロデュースすることの話題的な面白さに興味を持ったのではなくて、そこにポップミュージックとしての普通ではない新しい扉の開け方があるのを直感的に感じて、それを純粋に開けにいっただけなのだと思う。
そして、そこから起きることは、視聴者として楽しく見ているぐらいの潔いスタンスもまた中田ヤスタカだなと思うのである。

(古河)
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