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    ピチカート・ファイヴ『カップルズ』『ベリッシマ』を改めて聴いて

    ピチカート・ファイヴ『カップルズ』『ベリッシマ』を改めて聴いて
    ピチカート・ファイヴ『カップルズ』『ベリッシマ』を改めて聴いて
    昨日、アナログ盤とBlu-spec CD2で再発されたピチカート・ファイヴのファースト『カップルズ』(1987年)とセカンド『ベリッシマ』(1988年)を久々に聴いた。

    小西康陽は「乙女」のような繊細さを持ちながら男性的な実直さで、そのときどきに共に音楽を作る相手の良さを存分に引き出してきた音楽家。
    それはプロデューサー的資質の一種とも言えるかもしれないが、たとえば中田ヤスタカが持っている「乙女」のような繊細さの普遍性などと比較すると、小西康陽の場合は、圧倒的にパーソナル。
    そのパーソナルなタッチが、佐々木麻美子がメイン・ボーカルの『カップルズ』では机の奥深くに眠っていた送っていない恋文が出てきてしまったような青さ、ORIGINAL LOVEの田島貴男がメイン・ボーカルの『ベリッシマ』では死の匂いと隣り合わせのエロティシズムとなって、音楽性としては全く趣の異なるアルバムとして結実している。
    しかし、どちらにも共通して今のポップ・ミュージックに欠けている禁断の香りがある。

    個人的には『ベリッシマ』は名盤として今こそ多くの人に聴いてほしい、『カップルズ』はそっと自分のものだけにしておきたいアルバム。(古河)
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