『羅小黒戦記〜ぼくが選ぶ未来〜』をまだ観ていない人へ

『羅小黒戦記〜ぼくが選ぶ未来〜』をまだ観ていない人へ
字幕版がロングランとなり、現在は吹替版が公開拡大中。
かなり話題になってきているので、既に観た人や気になっている人も多いと思うが、中国アニメと言われても全く知識がないという人がほとんどだろうし、そもそもタイトルの読み方がわからんという人も多いでしょう(ロシャオヘイセンキと読みます)。
しかし一言で言うと、これは完全に世界最先端を行っているアニメーション作品。
監督のMTJJは日本のアニメーションの影響を受けていて、2011年から発表されたウェブアニメ版にもその影響が見られるが、今回の劇場版はジブリ、『AKIRA』、『攻殻機動隊』、『NARUTO』、『けものフレンズ』、『天気の子』などなどあらゆる作品をテイストとしてではなく、技術から精神性まで血と汗が滲むくらい肉体的に消化していることがわかる。
さらに凄いのは同時に『マトリックス』『インセプション』『アベンジャーズ』などハリウッドのSFバトルアクションのここ数十年の歴史も、アジアのカンフーアクションの歴史も同様に肉体的に消化されていて、恐るべき情報量を持ちながら一貫した「正しいエンターテインメント」の価値観によってまとめあげられているので、最終的にオリジナリティの塊と呼べる作品になっているところだ。

内容も、共存できない「正義」と「正義」に分断された世界を生きる僕らのための物語で、その答えのないところに、作品のクオリティとまっすぐなアティテュードによってポジティブなメッセージを持たせることに成功している。
それこそ中国アニメと言われて固定観念を持ってしまう偏狭な気持ちがあったとしたら、それを吹っ飛ばして浄化するパワーが間違いなくこの作品にはあるのだ。
どうか多くの人にみて欲しい。
今、公開されているのは吹替版ですが花澤香菜、宮野真守、櫻井孝宏をはじめ声優の方々の演技が素晴らしいので充分に作品の魅力が伝わってきます。(古河晋)
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