ここ１０年くらい、ヒットらしいヒットにまったく恵まれていないブライアン・デ・パルマ。
だけど、来年２月にヨーロッパから公開される（アメリカからじゃないってのもだいぶ悲しいけど！）予定の新作”Passion”はちょっと期待してよさそう。
http://www.imdb.com/title/tt1829012/

とりあえずトレイラーを観て「お！　これは！」と思わせてくれるのは、なにせ、基本的にエロくて、恐怖に怯える女の顔が怖くて、わっかりやすいくらいのサスペンスで、仰々しいびっくりSEが鳴り響いてるから。
『殺しのドレス』とか『ボディ・ダブル』とか、８０年代のイケイケだった頃のデ・パルマを彷彿とさせるこの感じ。
結果あんまり面白くなくたって、このタッチだけでもご飯何膳かは食えてしまう気がしてくる。

さらに、レイチェル・マクアダムスが超性格の悪い女上司を演じ、そして、そんな上司にいいように使われ、やがて激しく敵対していく部下役にノオミ・ラパスというキャストもナイス。
つーか、このふたりが主演の、しかもこのふたりが女のバトルを繰り広げるという超キャッチーなスリラーであるこの映画がヒットしなかったら、デ・パルマのキャリアはいよいよもって悲しいことになっていくんじゃ……。
いや、がんばってほしい。そして、日本でも公開してほしい！

あと、ちなみにこの映画、フランスの名匠、アラン・コルノー監督作品のリメイク。
そのあたりも、まあ、心強いよね……。

とりあえず、トロント映画祭でプレミア上映されるらしいので、そこでのリアクションに注目したいなと思う。（小柳）