メジャーデビューを経て、楽曲自体もライブでの見せ方もスケールが大きくなってきているけれど、ステージと客席の心理的な距離は変わらないどころかどんどん近づいている。
井上竜馬はライブに初めて来た人から「こんな感じだと思いませんでした」とよく言われると笑っていたが、4人の演奏の、ちょっと泥くさいほどの熱っぽさや、井上のMCのまっすぐさ、そして端から端まで見回しながら「あなた」と呼びかける彼の目、それらすべてが、曲やバンドのスケールがどれだけ広がってもそれが絵空事にならない根拠になっている。
6月にリリースされるミニアルバムから披露された新曲も、攻撃的なストリングスのイントロにさらなる広がりを感じた。
同時にストリングスを引き連れての東名阪のホールツアーも発表されたが、椅子があろうがなんだろうが、この感覚は変わらない、そう確信した素晴らしいライブだった。(塚原)