そんな中、“found & lost”はアニメ『BANANA FISH』のオープニングに、“NE:ONE”は劇場版『コードギアス 反逆のルルーシュⅢ 皇道』の主題歌に採用され、初めて日本語詞をメインとするソングライティングへ踏み込むなど、裾野の拡大にも抜かりがない。
ただ『s p a c e [ s ]』というアルバムにおいて最も重要な楽曲は“s t i l l b e l i e v e”だと思う。この素っ裸で温もりがあり、いわゆる「エモ」とは違う類のエモーションが込められたナンバーは、先ほど書いた「ラウドロックの本質」さえまるっと抱きしめるような包容力とスケールのでっかさを備えている。なぜか。詞曲の中心を担ったIvan(G)は、この曲を書いた当時、バンドを続けるかどうかの瀬戸際に立っていたそう。それほど大きな葛藤のボーダーラインを超え、新たな決意や覚悟とともに生み出されたからこそ、この曲は今までにない響き方をするのだ。こういう闘い方を身につけてしまったら、一体サバプロはどこまででっかくなるのかわからない。ジョーク交じりで口にしてきた「世界制覇」という言葉も、夢物語ではなくなる日も近いのかもしれないね。記事は『ROCKIN'ON JAPAN 』11月号に掲載中、ぜひチェックを!(秋摩竜太郎)