NEE、僕らのエキゾチック・メッチャ・ヒーロー! 愛に溢れたツアーファイナル、豊洲PIT公演を観た!
2023.10.30 20:00
昨日の夜はNEEのツアー「EXOTIC METTYA YANKEE」のファイナル、豊洲PITへ。
NEEのライブは、5月のJAPAN JAM、6月の「JOKE」ツアーファイナル@EX THEATER ROPPONGI、8月のROCK IN JAPANと定期的に見ているつもりだけど、それなのに、昨日の4人は「NEEってこんなに大っきかったっけ?」と思ってしまうくらいでっかいライブをやっていた。
でっかいってのは別に、ライブの規模がどうとかいう話じゃない。
NEEのライブは、どうしようもない世界に垂れるひと筋の蜘蛛の糸みたいだなと思う。この時間・この音楽だけが私を救ってくれるんだっていう、バンドと観客の結びつき。もちろん昨日のライブにもそれはあった。NEEと、あの会場にいた一人ひとりとは、確かに強い糸で結ばれていた。でも、昨日はそれだけじゃなかった。一人ひとりと繋がった上で、会場全体を抱きしめるような優しさがそこにはあったのだ。鋭い歌詞さえ、激しい音さえ温かかった。
昨日のくぅは、繰り返し「愛」って言葉を口にしていた。何度も何度も「みんな愛してます」と言った。
以前のインタビューで、くぅが「みんな、なんか不満や不安を抱えて生きていて。逆に僕も一緒なんだなって思った」と言っていたのを思い出す。これはあくまで私の想像だけれど――NEEの音楽で繋がったみんなを愛することは、自分を愛することで。自分を愛することは、NEEの音楽を聴くみんなを愛することなんだ、って、くぅは気づいたんじゃないだろうか。だから、今のNEEはこんなにもでっかくて、以前にも増してヒーローめいているんじゃないかな。だとしたら、これからNEEはもっともっと大きくなっていく。今後がますます楽しみになるライブだった。(安田季那子)
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