imaseのライブを観てると、羽が生えたみたいな気分になる。初めてのツアー「Utopia」で与えてくれたもの

imaseのライブを観てると、羽が生えたみたいな気分になる。初めてのツアー「Utopia」で与えてくれたもの

10月31日。ハロウィンに浮かれる新宿で、imaseの1st LIVE TOUR「Utopia」のファイナル公演を観た。
…………いや、「観た」っていう言い方はなんだか固いな。もう少しあの日の気分を正確に表すと、「『Utopia』で泳いだ」みたいな感じだった。ライブが始まってからずっと、なんだか自分の体が軽くて、imaseとバンドメンバーが繰り出す音の波に漂っていた感覚。ひたすら気持ちいい1時間半。普段の生活で背負っているものを全部下ろして、深く呼吸して、メロディと言葉に身を委ねる――楽曲や演奏はもちろん、心地良いテンションのMCやダンスなんかも含めて、すべての要素がそれを促してくれる。「多幸感」なんて軽々しく言いたくないけど、でもそれでしかないピースフルな空間がそこにはあった。これを「Utopia」と呼ばずしてなんと呼べばいいだろう。

imaseが初めてライブをしたのは今年の3月。そこからまだ7ヶ月しか経っていないが、imaseのステージングにはどんどん余裕が出ている。でも身近さは失っていない。もともと彼の楽曲は「強制しない距離感」みたいなものが魅力的だけど、加えてこの佇まいが、ライブの「重力の軽さ」に繋がっているんだろうな、とも思った。

3月からは初の全国ツアーを行うことも発表された。ファイナルは地元の岐阜! 佇まいは穏やかに、でも一足飛びにシーンを駆け抜けていくその姿を、気持ちよく追いかけていきたい。(安田季那子)

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