MCではケプラのメンバーが高校生のときにズーカラデルのライブを観に行ったというエピソードも披露されたが、ズーカラデルとケプラ、年齢は離れているものの、どこか共通する素朴さを持ったグッドミュージックが終始流れ、穏やかな空気に包まれた幸せな時間だった。
先攻のズーカラデルは、サポートにギターとキーボードを迎えた5人編成の贅沢なライブ。軽妙なピアノが印象的な1曲目の“未来”からスタートすると、すぐさま会場全体で手があがり、吉田崇展（G・Vo）はその光景に感謝の意を伝えながら「やりたくなきゃやらなくていい」とも話していたが、彼の朴訥とした歌声で紡ぐ夢見心地なメロディを浴びれば自然と身体は動いてしまうわけで、会場は曲を追うごとに熱を帯びていったように思えた。
後攻はケプラ。彼らのライブは何度か観させてもらっているが、サーキットやフェスのときよりもメンバーがリラックスした雰囲気だったのが印象的だった。自分たちのツアーだからというだけじゃなくて、ズーカラデルが作り上げたあたたかい空気感に影響された部分もありそうだ。
改めて“未来で逢いたい”は空間を掌握する力を持った、ライブの締めくくりに相応しい名曲だと思ったし、『This is 未来』に収録された5曲は今回のセットリストの中でもそれぞれがまったく違う役割を果たしていて、ケプラの音楽がどんどん厚みを増し、彩り豊かになっていることが感じられる、いいライブだった。（竹内ほのか）
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