小バコでアジカン

小バコでアジカン

アジカンのツアー「酔杯リターンズ」が小バコの新代田FEVERから始まった。新曲「新世紀のラブソング」を大きな意味での場面転換の合図にして、彼らはもう一度、自分達のやり方でシーンを変えていこうとしている。アジカンは、ロックをポップに鳴らすのではなく、ロックが最もポップであるということを素直に鳴らす。ライヴハウスの世界を大きなハコに広げるのではなく、ライヴハウスの楽しさがスケールを広げる力を手放しで信じる。アジカンは初めて会ったときからそういうバンドだった。今日のアジカンの、骨組みを現にしながらも逞しい演奏、すっぴんでも華やかなサウンド、ヒット曲満載ではないのにやたら得した感のあるセットリストは、彼らのその信念と素直さが今、最も解放されていることを表している気がした。披露された新曲はどれもポップでなおかつ根源的なロックのドキドキ感に溢れていた。

あと、あれだけ見事に小バコ仕様のライヴを展開しながら「俺ら、大きな会場でやるの好きなんです」と言い放つゴッチと、それを聞いて「おー!」と盛り上がるオーディエンスの関係が何だか独特で面白い。(古河)
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