ゆずのライヴが凄いのは、エンターテインメントを巨大化させるだけでなく、その大きさを肯定のパワーの大きさと完璧にシンクロさせているからだ、と思う。
子供から大人まで、まさに老若男女のあらゆる感情を抱き締めるんだ、抱き締め続けるんだという巨大な肯定のパワー。
そのモチベーションが一貫しているからこそ、ゆずのライヴにはどこまで大きくなっても変わらない「近さ」がある。
そんな全肯定のエンターテインメントをもって、僕たちはつい、「一切のアーティストエゴが排除されたライヴ」といった表現で言ってしまいがちだ。
しかし、ゆずは違う。
「それこそ」が、ゆずのあまりに素晴らしいアーティストエゴなのだ。
ゆずに何があっても、今がどんな時代であっても、聴き手と音楽の関係をまっすぐに肯定し続けるその姿は、どんな表現者よりも力強く輝いている。
そんな姿勢で20年間、名曲を生み出し続けてきたゆずが、ゆずの歌が、みんなの人生の節目に刻まれているのは当たり前のことだーーそんな思いでいっぱいだ。
「TOWA」ツアーは、アルバム発売前に行われるというトライアルだったが、今日含めて2度観て、あらためて思う。
ゆずの曲にこの絶対の肯定力と日々を生き抜いてほしいという願いがある限り、ふたりの歌はリスナーのために開かれたかたちで存在し続けるのだろう。
眩しい時間だった。素晴らしいエンターテインメントだった。
ゆず、「TOWA」ツアーファイナルを観た! このツアーにあったもの
2016.01.17 19:55