さユり、キネマ倶楽部のライブを観て思うこと

さユり、キネマ倶楽部のライブを観て思うこと
歌が儚いとは、つまり生き方と考え方が儚い。
歌がまっすぐであるとは、つまり生き方と考え方がまっすぐである、とうことだ。

いいシンガーの歌を聴くと、ふとそんなことを思う。
歌はフィジカルなものだから、その人がダイレクトに出る。
「歌のうまさ」はあくまで歌のうまさだが、「歌のよさ」とはその人の生き方のことだと思う。

そう考えている自分にとって、さユりはその生き様を想像させるシンガーのひとりだ。

フルサイズのライブを観たのは昨日が初めてだったが、
その微かに震え続ける声、そして時に放り出されるように鋭く突き刺さってくる歌を聴きながら、
この人は微かに震え続けるように、
時に何かを放り出すように思い切って生きてきたのだろうと思った。

ただ単に、素晴らしかったと言ってしまうには、触れたら壊れてしまいそうなほどの、あまりに繊細な佇まいが印象的なコンサートだった。

さユりは、まだまだ未完成なシンガーだ。
だが、その歌声には「この人の人生は、歌うことでアリになるんだな」という必然を感じさせる何かが確実にある。
久々に出会った何か、という感じもある。

これからが本当に楽しみだ。
いいライブだった。
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